税制改正大綱における居住用超高層建築物(タワーマンション)の評価について(会長談話)
・12月22日に「平成29年度税制改正大綱」が閣議決定された。
・平成29年度税制改正大綱には、居住用超高層建築物(タワーマンション)の固定資産税・都市計画税、不動産取得税についての評価の改正点が記載されている。
・不動産鑑定士は、マンション(区分所有建物及びその敷地)の評価にあたって、原価法による積算価格、取引事例比較法による比準価格、収益還元法による収益価格を関連づけて鑑定評価額を決定している。
・積算価格を求める際には、不動産鑑定評価基準に「区分所有建物の対象となっている一棟の建物及びその敷地の積算価格を求め、当該積算価格に当該一棟の建物の各階層及び同一階層内の位置別の効用比により求めた配分率を乗ずることにより求める」とされている。
・平成29年度税制改正大綱の居住用超高層建築物(タワーマンション)の評価方法は、これまでの面積割合で一律に評価する方法から、「階層別専有床面積補正率」による補正(1階を100として階が一増すごとに、10を39で除した数を加える)を行う方法に変更しており、これは不動産鑑定士がマンション(区分所有建物及びその敷地)の鑑定評価を行う際の評価手法を簡素化したものであることから妥当な考え方であるといえる。
・固定資産税においては、土地基本法第16条の主旨を踏まえ、平成6年度以降の評価替えから不動産鑑定士が標準宅地の鑑定評価を担っており、国民の税負担の公平性を実現させている。
・不動産鑑定士は、固定資産税評価のみならず、地価公示や相続税評価等の公的評価において、適正な時価評価を通じて、今後もその社会的使命を果たしていく所存である。
2016年(平成28年)12月27日
公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会
会長 熊倉 隆治