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業務指針に関するQ&A

所掌委員会:業務委員会
<質疑応答集をご参考と頂く際の注意事項>

会員から寄せられた質問、及びその回答を元にQ&Aを作成しております。
質問に当たりご提示頂きました前提条件・背景・状況等を踏まえ、当委員会にて把握又は推定可能な範囲内で回答等を行っております。
特段の記載がない限り、回答時点に適用されている業務指針等に照らして回答等を行っております。
そのため、回答内容は過去又は将来において不変的に適用されるものではありません。

不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針

役割分担

日時 カテゴリ
H25.9 記名不動産鑑定士の審査鑑定士兼務
H25.9 業務提携における契約書面の必要性と例外
H25.11 一人業者が一部再委託した場合の受託審査及び報告書審査(証券化以外)兼務
H26.1 役割分担及び業務提携
H26.7 役割分担表の鑑定評価書への必要性
H26.8 業務提携のひな型文書
H26.12 不動産鑑定士1名事務所の役割分担表
H28.1 提携業者の鑑定評価書の保管義務業者
H28.2 事例収集の業務提携及び評価書の保管
H28.3 報告書の審査と署名不動産鑑定士の役割分担
R1.10 総括不動産鑑定士が確定担当鑑定士の場合の実査
R3.9 不動産鑑定評価報告書のレビュー
R4.1 役割分担表の省略
R5.6 役割分担(財務諸表)
R5.8 業務提携(REA-Jirei)

再委託等

日時 カテゴリ
H25.12 鑑定業務の一括再委託
H26.3 鑑定評価の一括再委託
H26.7 鑑定業務の一部再委託
H27.10 鑑定業者でない業者からの再委託の可否

署名押印等

日時 カテゴリ
H26.7 鑑定業者の代表者の署名押印
H26.8 自社鑑定士のみで行った鑑定評価書等の署名押印
H27.2 鑑定評価書の署名押印箇所
H28.7 鑑定評価書へ署名を刻印した「署名鑑」は自署にならない
H30.1 役割分担表の記載
H30.5 派遣社員である不動産鑑定士の役割分担
H30.10 電磁的記録による評価書交付の可否
R3.5 電子署名の注意点
R3.9 調査報告書の押印
R3.9 電子ペンによる署名
R4.1 複数名の電子署名
R4.6 付属資料への電子署名
R5.4 署名(財務諸表)
R5.4 署名(証券化対象不動産・財務諸表)

価格等調査業務契約書作成に関する業務指針

日時 カテゴリ
H26.1 依頼者が反社会的勢力であるか否かの本人確認
H26.2 証券化対象不動産の受注資格要件
H26.3 鑑定評価書の署名押印
H26.7 業務提携時の契約書と依頼書兼承諾書標準モデル
H27.3 一人鑑定事務所の財務諸表作成に利用される案件の受託審査
H28.1 官庁からの評価依頼時の確認書交付
H28.10 契約書作成に関する基本指針
H29.11 包括的な依頼書兼承諾書
H30.5 経済価値の判定を伴う意見書を個人名で発行することの可否
H30.7 印紙の必要性
R2.3 自治体への確認書の交付
R2.3 契約締結後の確認書の交付
R2.9 依頼書兼承諾書の電子契約
R2.9 標準委任約款の免責事項
R3.4 確認書の交付と提出の違い
R3.4 複数件の依頼があった際の依頼書兼承諾書
R4.4 電磁的記録による確認書
R4.10 設立前の新法人宛の依頼書兼承諾書の運用
R5.4 依頼書兼承諾書の保存義務
R5.9 確認書(ガイドラインの適用範囲)
R5.10 確認書の発行日と記載事項

不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針

日時 カテゴリ
H26.1 証券化財務諸表関連等評価の第三者受託審査
H26.2 証券化鑑定評価における鑑定士の受託審査、報告審査の兼務
H28.1 インターネットからの受注及び成果物の電子媒体での発行
H28.7 受任審査
H28.12 業務実施態勢
H29.1 不動産鑑定業者の業務提携
H29.3 鑑定評価書の保存書類の範囲
H29.4 不動産鑑定業者の業務提携
H29.5 不動産鑑定業者の業務提携
H29.8 業務実施体制
H29.6 不動産鑑定士の専任
H30.6 一人鑑定事務所の財務諸表作成に利用される案件の受任審査・報告書審査
H30.10 非鑑定部署の鑑定士による受任審査・報告書審査
R1.10 一人事務所の財務諸表のための価格調査
R2.1 鑑定部門と仲介部門を兼務した際のリスク管理
R3.6 報酬の発生しない業務
R5.4 情報管理
R5.5 情報管理
R5.5 審査不動産鑑定士

その他

日時 カテゴリ
H27.7 価格査定表(ドラフト)提出後の価格変更の可否
H28.6 利回り等の提供は鑑定業法に反するか
H28.12 文書保管
H29.1 複数の対象不動産を一冊の成果品として良いか
H29.3 鑑定評価書の審査
H29.6 調査報告書の様式
H29.10 価格等調査ガイドラインの適用範囲外の業務に係る依頼書等
H29.12 公売時における鑑定評価の徴求
H30.5 副本の署名押印
H30.7 鑑定士の説明責任
H30.12 依頼者以外への鑑定評価書の提出先等への提出方法
H31.4 裁判鑑定の依頼
R1.7 宅建業を兼業している際の価格査定書
R1.11 裁判に係る自己のための意見書
R1.12 電子署名付PDF
R2.2 鑑定評価業務の下請法の適用
R3.12 割印の必要性
R4.6 価格等調査ガイドラインの適用範囲
R4.7 PDF化後の紙の処分
R4.12 価格の併記
R5.4 反社会的勢力が居住する不動産の評価
R5.7 利害関係
R5.7 利害関係
R5.11 評価書の保存

記名不動産鑑定士の審査鑑定士兼務

事例の取得を担当した、記名不動産鑑定士が報告書審査を担当することは可能ですか。

本会が作成しております「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」にございますとおりです。

~業務指針より(抜粋)~
『記名不動産鑑定士が担当する業務は、総括不動産鑑定士又は総括不動産鑑定士以外の署名不動産鑑定士の指揮監督の下で行う、鑑定評価の結果に重要な影響を与えない程度の支援業務等である。具体的には、「鑑定評価の核となる主たる部分に該当する業務」に該当しない、前記(1)⑤から⑦の一部支援業務等が考えられる。なお、受託審査及び鑑定評価報告書の審査も記名不動産鑑定士の業務に含めるものとする。』
(※前記(1)の⑤から⑦とは、⑤資料の収集及び整理、⑥資料の検討及び価格形成要因の分析、⑦鑑定評価の手法の適用)
したがって、資料を取得した記名鑑定士が審査鑑定士となることは可能となります。

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業務提携における契約書面の必要性と例外

「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」において、業務提携を行う場合には「業務提携を行う場合の不動産鑑定業者間の役割・責任分担を明確にする観点から、原則として業務提携に係る契約書面を取り交わすものとする。」とされていますが、この場合における「原則として」の例外として、どのような場合が想定されますでしょうか。依頼者が民間法人であっても契約書の取り交わしが必要となりますか。

業務の受託においては契約当事者の誤解や紛争の発生を未然に防ぐためにも、契約書の取り交わしは重要となりますが、依頼者への説明責任及び守秘義務の観点からも、受託業者は、業務提携を行う場合にあらかじめ再委託先、再委託業務の範囲などの業務提携に係る契約内容等を明示して、依頼者の承諾を得る必要があります。また、業務提携を行う場合の不動産鑑定業者間の役割・責任分担を明確にする観点からも業務提携に係る契約書面を取り交わす行為は重要となります。
「原則として」の文言についてですが、そもそも契約行為は書面で行われることが義務づけられているものではないと言う点、また強いて言えば両者間において役割・責任分担、委託業務の範囲等について、①文書にて明示すべき必要性のない関係性が存在している場合、また②両者が何らかの理由により書面の必要はないと納得した場合等の点に立てば、記述が「原則として」との表現になったと思われます。
鑑定業者間の役割・責任分担の明確化、依頼者を含む利用者保護の観点等からすれば、契約書面の取り交わしが望ましいと考えます。
なお、この業務指針において依頼者による適用の区別はありませんので、ご質問の依頼者が民間法人であれば不要とするような考え方はないものとご理解ください。

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一人業者が一部再委託した場合の受託審査及び報告書審査(証券化以外)兼務

不動産鑑定士が1名のみの事務所が鑑定評価(証券化対象不動産及び財務諸表の作成に利用される目的の鑑定評価を除く)の一部を提携業者に再委託した場合に、受託審査を担当した鑑定士が報告書審査を担当することは可能でしょうか。

一人業者の場合、受付・受託審査・鑑定評価・報告書審査を一人で行うこととなりますが、鑑定補助方式の考え方では、鑑定評価の一部を提携業者に再委託したとしても、実質的に鑑定評価を行うのは、受託業者(一人業者)であると判断されます。
これは、鑑定評価の基本的事項・依頼者・提出先及び利害関係等の確認・処理計画の策定等において、鑑定評価の主たる方針は受託業者の判断で行われ、それに基づき鑑定評価の一部を提携業者に委託し、再委託をされた業者はその内容で鑑定評価の一部を行うのが一般的と思われます。 したがって、本件においては、一人業者の特例は適用して問題はないものと思料します。
但し、役割分担・責任分担は当然に担当(関与)した不動産鑑定士及び不動産鑑定業者にあることから、役割分担表の記載及び関与不動産鑑定士の署名押印は必要です。

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役割分担及び業務提携

鑑定法第3条第2項業務を行う際に適用される業務指針、役割分担表記載例等はありますか。

「不動産鑑定士の役割分担及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」の2適用範囲によれば、「本業務指針の適用範囲は、当分の間、鑑定評価業務を行う場合とするが、鑑定評価以外の業務(鑑定法第3条第2項の業務をいう)についても、可能な限り本業務指針を準用して適用することが望ましい。」
となっており、2項業務については独自判断でもよいが、鑑定士としての業務であれば、その責任範囲を明らかにする意味においても、1項業務と同様にすることが望ましいものと判断します。

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役割分担表の鑑定評価書への必要性

①平成24年6月改正の「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」について
[3 不動産鑑定士の役割分担と署名義務]の「なお、役割分担表を設けることの意義は」という記述について、「役割分担表」の必要性はどこに規定されていますか。
②一つの鑑定業者で複数の鑑定士が評価書へ署名押印し共同で責任を持つ鑑定評価書においても、「役割分担表」は必要となりますか。
③一人鑑定士事務所で、他の鑑定業者との業務提携や他専門家との連携を行っていない場合においても、「役割分担表」は必要となりますか。

①国土審議会土地政策分科会不動産鑑定評価部会報告書「社会の変化に対応したよりよい鑑定評価に向けて」において、『Ⅱ 不動産の鑑定評価の質の向上に向けた取り組み/1.依頼者のニーズに応じた適正な業務提携の促進とその信頼性・透明性の向上/④鑑定士等の役割分担の明示』という項目があり、ここにおいて、“説明責任の実行等適正な鑑定評価業務の実施とその信頼性・透明性の向上のためには、鑑定業者間の役割分担のみではなく、鑑定評価における鑑定士の間の役割分担の明確化及び明示も重要である。(一部抜粋)”とされていることから、これを踏まえ、本会が作成する「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」において、“鑑定評価を行うに当たっては、依頼を受けた不動産鑑定業者が単独で業務を行うほか、他の不動産鑑定業者や専門家と提携して業務を行う場合があるので、鑑定評価書の作成に係わる者が、鑑定評価の核となる主たる部分に携わっているか否か、すなわち関与しているか否かにかかわらず、その役割分担を鑑定評価書に記載することは、信頼性・透明性の向上と不動産鑑定士の責任の所在を明らかにする観点から促進すべきと考えられる。”とし、“鑑定評価書における表示は、署名不動産鑑定士については冒頭に署名押印することとし、記名不動産鑑定士及び他の専門家については、末尾に記載する役割分担表に明示することとする。(いずれも[3 不動産鑑定士の役割分担と署名義務]より抜粋)”とし、役割分担表の記載を義務付けております。

②上記のとおり、役割分担表の記載が義務付けられていることから、不動産鑑定士の氏名・業務の内容等について記載することが必要です。

③本会が作成しております「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」において、不動産鑑定士が1名のみの事務所の場合においても、以下のとおり定めております。
■[5 価格等調査業務の受託]
この場合、受託審査鑑定士の氏名は、「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」に従い、役割分担表に記載するものとする。
■[7 品質管理]
この場合、報告書審査鑑定士の氏名は、「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」に従い、役割分担表に記載するものとする。
以上により、役割分担表の記載が義務付けられていることから、鑑定士が一人の事務所で、案件の受付・受託審査・手順の前段階・報告書審査の全てを担当した場合においても必ず役割分担表を記載する必要があります。

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業務提携のひな型文書

他県の物件について、自身が統括鑑定士となり、物件の確認、事例収集を現地の鑑定士に依頼する場合の留意事項、提携文書のひな形があれば教えてください。

本会において、「提携文書のひな型」は、作成しておりません。
業務提携に係る契約書面の取り交わしにつきましては、「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」における『9 業務提携に係る契約書面の取り交わし』及び「価格等調査業務の契約書作成に関する業務指針」にてご確認ください。※注意点等も記載されておりますので、併せてご確認ください。

新型コロナウィルス感染症への対応の一環として、会員専用ページにてひな形を公開しておりますのでご参考にしてください。(R5.1追記)

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不動産鑑定士1名事務所の役割分担表

証券化対象不動産及び財務諸表の作成に利用される目的の鑑定評価以外の鑑定評価基準に則った鑑定評価書で不動産鑑定士が1人しかいない場合、報告書審査・受託審査を署名不動産鑑定士が行うことができると指針に規定されていますが、この場合でも役割分担表の記載が必要でしょうか。

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」の5(3)及び7(3)の「この場合」以下のとおり、役割分担表への記載が必要であり、具体的な記載が必要です。具体的な記載方法は、「不動産鑑定士の役割分担表及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」の「別紙3」を参考としてください。

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提携業者の鑑定評価書の保管義務業者

業務提携で鑑定評価を行った際の書類の保管義務について質問です。

Aという業者に甲という統括鑑定士がいて当社Bの業者に乙という統括鑑定士以外の署名鑑定士がいる場合、Aの顧客の依頼によりAと当社Bの業務提携により行った鑑定評価について、Aという業者の記名押印、統括鑑定士甲と乙の署名のある鑑定評価書を顧客に提出した際に、

1.当社Bは、不動産の鑑定評価に関する法律にもとづいて、鑑定評価書の写しを保管する義務はありますか?
2.鑑定評価基準に保管義務について記載された部分はありますか?
3.鑑定評価書の控えの保管方法について国土交通省からの指示、検査指摘事項はありますか?
当社Bが、保管する義務がある場合に、その写しには、業者Aの記名押印、甲、乙の署名捺印がすべて揃うことが必要ですか?

A業者には写しの保管義務はありますが、当社Bには、実質的な内容について後日の疑義に回答できる状態であれば、押印、署名のある写しをA業者からわざわざ取得して保管する必要ないと思います。

ご照会の場合については、法令を読む限り、保管義務はA社のみとなり、B社に対してはありません。鑑定評価基準においても保管義務についての記載はありません。
なお、上記法解釈・運用につきましては、本会はお答えする立場にありません。国土交通省へお問い合わせのうえご確認いただきたくお願いします。
但し、鑑定評価書は、依頼者に交付後どのような扱いをされるか分かりません。悪意のある者によって改変されたときに反論できるよう、写しは自ら保管しておくほうがよい、と考えられます。

保管すべき期間は、規則により5年とされます。
保管方法や署名捺印の有無については、過去に行われた国土交通省の立ち入り検査でも指摘されています。署名鑑定士の署名捺印、関与鑑定士の記名がなされたものを複写し、保管していることが望ましいと考えます。

■不動産鑑定法第39条
3  不動産鑑定業者は、国土交通省令で定めるところにより、鑑定評価書の写しその他の書類を保存しなければならない。
■不動産鑑定法施行規則 
(鑑定評価書の記載事項等)
第三十八条  法第三十九条第一項 に規定する国土交通省令で定める事項は、次の各号に掲げるものとする。
一  その不動産の鑑定評価の対象となつた土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利(以下この条において「対象不動産等」という。)の表示
二  依頼目的その他その不動産の鑑定評価の条件となつた事項
三  対象不動産等について、鑑定評価額の決定の基準とした年月日及びその不動産の鑑定評価を行なつた年月日
四  鑑定評価額の決定の理由の要旨
五  その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士の対象不動産等に関する利害関係又は対象不動産等に関し利害関係を有する者との縁故若しくは特別の利害関係の有無及びその内容
2  法第三十九条第三項 の規定により保存しなければならない書類は、鑑定評価書の写しのほか、対象不動産等を明示するに足りる図面、写真その他の資料とし、それらの書類の保存期間は、五年とする。

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事例収集の業務提携及び評価書の保管

事例の収集の件ー業務提携で行ってよい場合の判断として。
履歴管理票と事例を業務提携で収集する場合の収集者側として、なにをしておけば不正な利用とならないかが判断できません。
提携業務の役割分担の範囲を発行物に記載し、事例収集者の記名があればよいとしても、評価書等の発行者側としては秘守義務があるので、評価書等は事例収集者にコピーできないとなった場合に、評価書等の役割分担と事例管理票の宛先者の記名が書かれている部分のみのコピーを徴求しておけばよいのか、判断をお願いします。
質問者としては、業務提携にて役割分担で事例収集にあたる鑑定士側としても発行物の評価書等のコピーを要するのではないかと思いますが・・・。
発行物の評価書の該当部分(役割分担、記名のある部分)のコピーのみでは不十分ではないか、または、別冊にて役割分担表と記名のある評価書補充書類では、不十分ではないかと思っています。

事例収集を業務提携で行った場合には、履歴管理表は取得した鑑定士が関わります。当然のこととして、関与した鑑定士として本人の名前が記名されるのでしょうから、ご質問者の意見のように事後の問い合わせ等に対応できるようにしておくべきだと思います。
国は、法令上は保管義務はない、としていますが、法令違反であるか否かのこととは別に鑑定評価に関与した鑑定士としての責任があります。後日の無用な紛争を予防する意味でも鑑定書の写しを保管する方が望ましい、と考えます。
次に、取引事例の扱いとして、共同利用が適切に行われていることを説明する義務もあります。
したがって、該当部分のみを保管するのでは用をなさない、と言えます。

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報告書の審査と署名不動産鑑定士の役割分担

不動産鑑定士の役割分担についての質問です。
提携業者と鑑定補助方式により業務提携を行った案件につき、受託業者において統括不動産鑑定士(指揮、各手順、検証)と記名不動産鑑定士(受託審査、報告書審査)の体制とした場合において、統括鑑定士の全般にわたる検証を前提として、報告書審査鑑定士の審査項目(協会の例示)を一部に限定する取り扱いは可能でしょうか。限定できるとした場合において、必須の項目はあるのでしょうか。(趣旨は、提携業者の作業結果に対する実質的な審査が受託業者側において重複感があるためご質問しております)

報告書審査については、鑑定評価に関与した不動産鑑定士(統括不動産鑑定士を含む署名不動産鑑定士)から独立した立場で行う必要があり、
「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針7(3)」において、
報告書審査は、署名不動産鑑定士以外の不動産鑑定士1名以上が担当することとし、報告書審査の項目等は前項により定めた内容によることとする。
とされています。
したがって、署名不動産鑑定士(統括不動産鑑定士A)以外の不動産鑑定士が担当する必要があり、審査項目を一部に限定することは不適切と考えます。

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総括不動産鑑定士が確定担当鑑定士の場合の実査

不動産鑑定士の役割分担についての質問です。
総括不動産鑑定士が確定担当鑑定士(鑑定評価の基本的事項の確定)を担当した場合、実地調査(対象不動産の確認)も総括不動産鑑定士が行わなければならないでしょうか。

価格等調査ガイドラインによれば、契約の締結までに業務の目的と範囲等を確定し確認書を依頼者に交付するものとし、その後変更する場合には、変更内容を確定し、成果報告署の交付までに、変更後の確認書を交付するものとされています。
したがって、
①当初の確認書で、成果報告署の提出までいく場合には、総括不動産鑑定士=確定担当不動産鑑定士は実査を行うことまでを求められていないと思われますが、
②最終的に変更確認書を提出する場合には、現地調査を踏まえて変更されるケースが多いため、そのような場合には実査をせずに変更の確定ができるのかという疑義が生じますので、その際は、作成担当不動産鑑定士=確定担当不動産鑑定士になるのが妥当と考えられます(当初確認書と変更後確認書で確定担当不動産鑑定氏名が異なる。)。

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不動産鑑定評価報告書のレビュー

他の不動産鑑定業者から不動産鑑定評価報告書のレビュー(独立した立場でその内容チェック、再検討項目の指摘等)業務を受託するにあたり以下ご質問があります。

①当社(提携業者)の役割としては、「記名不動産鑑定士」であり、担当業務は「鑑定評価報告書の審査」のみとなる認識でよろしいでしょうか?
②①に関して、依頼者側の不動産鑑定業者の何らかの都合で、鑑定評価書の末尾に当社や私を提携業者、記名不動産鑑定士として記載しない場合、当社にその記載が漏れていることの責任はないという認識でよろしいでしょうか。
③①の業務提携に係る契約書のテンプレートのようなものは一般公開されておらず、個々の業者ごとに契約書を作成するという理解でよろしいでしょうか?

①ご判断のとおりと考えます。 ②ご判断のとおりと考えます。 ③新型コロナウィルス感染症への対応の一環として、会員専用ページにてひな形を公開しておりますのでご参考にしてください。

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役割分担表の省略

担保評価の参考とすることを依頼目的とする、「基準に則らない成果報告書」についてお尋ねします。
連合会の「基準に則らない成果報告書記載例」にある「付記事項」の「不動産鑑定士等の役割分担」は、上記依頼目的の場合、省略できますか。

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」では、鑑定評価における役割分担と責任の所在を明確にし、不動産鑑定士に対して役割に対する責任の自覚を促すため、鑑定評価書(鑑定法第3条第1項の鑑定評価業務の成果として交付されるもの)の末尾に役割分担表を添付することとしています。
なお、「業務指針」については、不動産鑑定業者が不動産鑑定業を営む際には、原則として準拠しなければならないとされております。

以上より、鑑定評価基準に則らない価格等調査を行う場合でも、鑑定法第3条第1項の業務(不動産の経済価値を判定し、価格に表示する業務)に該当する場合は、役割分担表は省略せず、成果報告書に記載すべきと考えます。

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役割分担(財務諸表)

当事務所は一人の常勤鑑定士(私)に非常勤の鑑定士(1人・契約)がいます。
この度財務諸表の賃貸不動産の評価依頼がありました。
この場合、報告書審査のために提携鑑定士に依頼する必要はあるのでしょうか。
又提携鑑定士の署名は必ず必要なのでしょうか。
又役割分担の記載について、受任審査・鑑定評価の全手順・報告書審査においてすべて異なった鑑定士の記載が必要なのでしょうか?

下記のとおり役割分担して対応することが考えられます。
○鑑定士A(署名鑑定士)
 ・鑑定評価の基本的事項の確定から鑑定評価額の表示に至る鑑定評価の全ての段階
○鑑定士B(非署名鑑定士)
 ・受任審査、鑑定評価報告書の審査
たとえば、Aを常勤鑑定士、Bを非常勤鑑定士が担当すれば、外部提携先への依頼は必要ありません。

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業務提携(REA-Jirei)

業務提携に係る契約書面と、新しいREA-Jireiの依頼者選択の関係についてお尋ねします。
業務提携に係る契約書面については、「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」の6ページをみますと、契約書は受任業者が依頼者と取り交わす契約書面に記載される事項を参考とするとありますが、業務提携契約書の委任者は元請けで、再委任は行わない、というたてつけでよろしいのでしょうか。
そしてその場合、新しいREA-Jireiでは、最初に依頼者を選択する必要がありますが、縦型分業で業務提携をする場合に、下請け側が事例をとる場合においての依頼者は、元請けの鑑定業者(選択肢としては「その他」?)になりますでしょうか、それとも業務提携の契約書とは無関係に、元請けが受けた最初の依頼主になりますでしょうか?

業務提携契約につきましては、原依頼者の承諾を得たうえで、元請けと下請けの間で締結します。
業務委託契約書のひな形等については、下記をご参照ください。
業務提携契約参考ひな型の提示等について
なお、REA-Jireiに入力する依頼者は、元請け鑑定業者ではなく原依頼者としてください。
業務提携におけるREA-Jireiの利用については、下記にご留意ください。
業務提携における REA-Jirei の閲覧・利用に関して(ご注意)

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鑑定業務の一括再委託

受託した鑑定評価業務を一括して再委託し、自身で内容を精査したうえで署名押印を行い鑑定評価書として完成させることに問題はありますか。

本会が作成している不動産鑑定評価制度改正に関する指針等における「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」に記載されておりますが、【6 一括再委託の制限】において「鑑定評価を行う場合に、受託業者に所属する不動産鑑定士は、総括不動産鑑定士又は総括不動産鑑定士以外の署名不動産鑑定士として鑑定評価に関与し、鑑定評価書に署名押印することとなるため、依頼内容の全部を一括して他の不動産鑑定業者に委託すること(一括再委託)は、事実上制限されることとなる。」とあります。
また、同指針にございますとおり、「業務提携の際に総括不動産鑑定士を置かない場合には、受託業者に所属する不動産鑑定士が、必ず鑑定評価の核となる主たる部分に関与し、署名不動産鑑定士にならなければならない。(総括不動産鑑定士については必ずしも必要とするものではない。)」とされております。
以上のことを踏まえてご判断ください。
なお、上記指針における役割分担等についても併せてご確認ください。

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鑑定評価の一括再委託

A鑑定業者がB鑑定業者に鑑定評価の全段階を委託し、鑑定評価書の発行はA鑑定業者で行う業務提携行った場合、以下のように業務を分担し、評価書に署名押印及び記名することは可能ですか。
●受託業者:A鑑定業者(業務内容:鑑定評価業務の受託審査、鑑定評価報告書の審査)
●提携業者:B鑑定業者(業務内容:鑑定評価手順の全段階)

◆署名押印:A鑑定業者の鑑定士及びB鑑定業者の鑑定士
◆記名:A鑑定業者の鑑定士

本会が作成している不動産鑑定評価制度改正に関する指針等における「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」に記載されておりますが、【6 一括再委託の制限】において「鑑定評価を行う場合に、受託業者に所属する不動産鑑定士は、総括不動産鑑定士又は総括不動産鑑定士以外の署名不動産鑑定士として鑑定評価に関与し、鑑定評価書に署名押印することとなるため、依頼内容の全部を一括して他の不動産鑑定業者に委託すること(一括再委託)は、事実上制限されることとなる。」とあります。
また、同指針にございますとおり、
署名不動産鑑定士は、以下の①から⑩の全部又は一部の業務を担うものであるが、鑑定評価書について最終的な説明責任を有するため、現地の実査は必要不可欠となる。(総括不動産鑑定士については必ずしも必要とするものではない。)。
①鑑定評価の基本的事項の確定
②依頼者、提出先等及び利害関係等の確認
③処理計画の策定
④対象不動産の確認
⑤資料の収集及び整理
⑥資料の検討及び価格形成要因の分析
⑦鑑定評価方式の適用
⑧試算価格又は試算賃料の調整
⑨鑑定評価額の決定
⑩鑑定評価報告書の作成・鑑定評価額の表示
なお、業務提携の際に総括不動産鑑定士を置かない場合には、受託業者に所属する不動産鑑定士が、必ず鑑定評価の核となる主たる部分に関与し、署名不動産鑑定士にならなければならない。
以上のことを踏まえると、受託業者であるA鑑定事務所の不動産鑑定士が、鑑定評価の核となる主たる部分に関与(現地調査の必要性)していないこと、及び、総括不動産鑑定士が置かれていないことから、「一括再委託の制限」に抵触していると考えられます。
なお、上記指針における役割分担等についても、併せてご確認ください。

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鑑定業務の一部再委託

依頼者から鑑定評価の依頼を受けた受託鑑定業者が、他の鑑定業者の代表者である不動産鑑定士に対し、業務提携契約を締結のうえで、鑑定業務の一部を委託することは認められますか。
「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」に記載されているとおりです。一括再委託に関しては制限をされておりますが、一部委託に関しては問題がないと考えられます。
なお、業務提携は業者間での契約を前提に、各業者間の業務範囲及び各業者内における不動産鑑定士の役割分担・責任範囲を明確にするものです。
また、依頼者が公共・民間どちらか分かりませんが、委託契約書等において、依頼者が承諾した場合を除き、再委託を制限する等の規定がありますのでご留意ください。

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鑑定業者でない業者からの再委託の可否

不動産鑑定評価業務を含む調査業務の受託業者(鑑定業者ではないA社)が業務を委託し、鑑定業者であるB社へ不動産鑑定評価業務を再委託することへの可否

Aが依頼先Cから包括的調査業務を受託し、調査事項の内鑑定評価業務を鑑定業者Bに発注する場合であれば、鑑定評価の依頼者はA、鑑定評価書の宛先もA、評価書の提出先としてCとなることが想定できる。この場合であれば、再委託とは言えず、業務提携でもないことから業務指針の適用にはあたらない、と考えられます。
但し、Aが依頼先Cから鑑定評価業務を受託しているのであれば、Aが鑑定業者登録をしていないにもかかわらず鑑定評価業務を行ったことになり、BがAの無登録を知っていた場合、BはAの無届け業務を幇助したと見なされることが考えられます。こうした行為についての直接的な条文は見当たりませんが、望ましいことではないため、監督官庁の意見を求めておくことが賢明と考えます。

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鑑定業者の代表者の署名押印

鑑定業者の代表取締役社長など、鑑定評価の受託・発行を管理する立場にある鑑定士が、鑑定評価の主たる部分に関与していない場合にあっても記名不動産鑑定士としての責任より重い責任を負うべく、評価書に署名押印を行うことに問題はありますか。

不動産鑑定評価書の発行にあたっては、“鑑定業者としての責任”と、“不動産鑑定士としての責任”が発生します。
つまり、鑑定業者の代表者としては最終的に鑑定評価書を発行する“鑑定業者としての責任”があり、「記名不動産鑑定士」としては受託審査および鑑定評価報告書の審査を行う“不動産鑑定士としての責任”があることとなります。
なお、2名ともに「署名不動産鑑定士」となる場合には「審査不動産鑑定士」を別に置く必要があり、また、署名を行うのであれば必ず鑑定評価の核となる主たる部分に関与する必要があります。

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自社鑑定士のみで行った鑑定評価書等の署名押印

複数の物件を対象とした「連結決算・連結納税のための時価評価」を依頼目的とした価格調査(鑑定評価基準に則らない価格調査)を受託した際、業務提携を行わず、全案件の評価を自社鑑定士で行う場合であっても調査報告書の表紙に総括不動産鑑定士及び実際に査定を行った鑑定士の併記が必要となりますか。

本会が作成しております「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」『5 署名不動産鑑定士、記名不動産鑑定士が担当する業務(2)総括不動産鑑定士が担当する業務』に記載されておりますとおり、“なお、業務提携を行わなくとも、同一不動産鑑定業者において関与する不動産鑑定士が複数の場合には、実態に即して同様の扱いとするが、担当した署名不動産鑑定士の一人が、依頼者又は利用者に対応できる場合は、必ずしも総括不動産鑑定士を置く必要はない。総括不動産鑑定士を置いた場合は、その位置づけや役割について依頼者又は利用者に誤解を与えないよう、鑑定評価書の役割分担表にその業務内容を記載することが必要となる。”としておりますので、総括不動産鑑定士を置いた場合は、役割分担表へ記載する必要があります。また、総括不動産鑑定士は、関与不動産鑑定士として、署名押印が必要です。

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鑑定評価書の署名押印箇所

鑑定評価書への署名押印を評価額の記載があるページ別の箇所にすることは可能ですか。

署名押印箇所について、「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」に記載の通り、署名不動産鑑定士については鑑定評価書冒頭への署名押印義務を規定しておりますが、特に鑑定評価額記載ページ内への署名押印を義務付けてはおりません。

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鑑定評価書へ署名を刻印した「署名鑑」は自署にならない

鑑定評価書の署名の件ですが、評価書へは自分の署名を刻印した「署名鑑」を押印しているのですが、これでよろしいのでしょうか。

鑑定評価書に対する署名押印とは、不動産鑑定評価法第39条2項に定められる法律上の規定であり、通常、自署による氏名の記入及び押印であると考えられます。
署名鑑(ゴム印)は記名と同視される、とされ、自署とは見なされないと考えられます。
なお、本件は不動産鑑定評価法の解釈運用となりますので、不動産鑑定評価法を所管する国土交通省までお問合せ頂きますようお願い申し上げます。

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役割分担表の記載

鑑定評価に記載する「役割分担表」について、総括不動産鑑定士Aとその他の不動産鑑定士Bの2名いる場合で、総括不動産鑑定士Aがメインで評価を行い、その他の鑑定士Bが事例取得と審査のみ行う場合の記載方法を教えてください。

総括鑑定士とは、「依頼者に提出する鑑定評価書について、作成に関わる複数の不動産鑑定士を指導するとともに、鑑定評価の結果を検証することを主たる業務とする。所謂コーディネーター的な位置づけとして鑑定評価に関与し、担当した署名不動産鑑定士と共同して責任を負うものであるが、対外的には一時的かつ総括的な説明責任を有することになる。総括鑑定士は、業務受任の形態に応じて任意に設置可能であるが、少なくとも署名不動産鑑定士を指揮するとともに鑑定評価の結果を検証する役割を担うものである。」とされています。 お問い合わせのケースでは、総括鑑定士Aがほぼ業務全般を担当しているので、(Bの鑑定評価への関わり方が低ければ、署名鑑定士Aのみで良い場合もありますが)署名鑑定士2名とするとしても1名「総括」鑑定士の設置は任意のケースとも考えられます。 また、ご質問者の判断では、受任審査がA・B両方に記載されていますが、例えばAが受任し、受任審査をBが行う(あるいはその逆)とすべきです(=業務の受任はどちらか一方で行い、もう一方がその適否を審査する)。 また、A・Bそれぞれが行った業務の役割分担の内容についての具体的記載内容や、報告書審査の内訳などの記載例については、「不動産鑑定士の役割分担等および不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針P11(別紙4)」を参考にしてください。

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派遣社員である不動産鑑定士の役割分担

「署名不動産鑑定士」について質問します。 当社では、現在正社員である不動産鑑定士が署名不動産鑑定士となっていますが、仮に派遣契約で不動産鑑定士を採用した場合、その派遣社員が署名不動産鑑定士として活動することに問題はありますか?

不動産鑑定士として鑑定業者の業務に従事する場合には、その鑑定業者の名称や従事する事務所名称などを登録する必要があります。 また、他の鑑定業者の事務所に移動した場合、または同じ鑑定業者内で他の事務所に移動した場合には、変更の登録申請が必要になります。

したがって、鑑定業者に採用されて、同社の鑑定業に従事する場合は、係る手続きを速やかに済ませれば同社の署名鑑定士として活動することには問題はありません。 仮に、その鑑定士(派遣社員の方)が以前の登録業者の登録のまま、別業者の鑑定書等に署名する場合は、成果品の役割分担への記載方法などで別の留意点がありますが、お問い合わせの件はこれには該当しないと考えられます。

結論としては、国土交通省の登録変更を行えば、問題はないといえます。

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電磁的記録による評価書交付の可否

鑑定評価書及び調査報告書の本紙提出の必要性について、ご質問させていただきます。
①依頼者が成果品について、紙での納品を必要としない場合、鑑定士が署名捺印した最終版を電子化し、当該データのみ納品して完了とすることは可能か。
②①でデータ納品が可能な場合、鑑定士の署名・捺印を、鑑定士の筆跡を電子化した『電子署名』及び鑑定士印についても『電子印鑑』とすることは可能か。
③①、②において、鑑定評価書と調査報告書で取扱いに差はあるか(調査報告書のみ上記対応が可能、等)

①本会では過去に下記回答を行っておりますので、ご確認下さい。
旧・価格等調査ガイドライン及び実務指針等 前改正時の「基準」及び「ガイドライン」に関するQ&A【取-51】
直近は、国土交通省から個別案件について下記見解が示されていますので、ご参考にして下さい。 国土交通省HP「法令適用事前確認手続紹介及び回答事案」の平成29年7月21日付(不動産の鑑定評価に関する法律第39条)の「照会内容・回答内容」

②鑑定評価書の署名押印は、電子署名及び業務承認に関する法律第2条第1項の電子署名をもって代えることが可能と考えられます。

③価格等調査ガイドライン適用範囲の業務であれば、原則差はないと考えられます。

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電子署名の注意点

不動産鑑定評価書の電子署名化を検討しております。
つきましては、注意点や推奨されている会社、制約等ございましたらご教示いただけませんでしょうか。

不動産鑑定評価書の電子化に関するQ&Aをご参照ください。

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調査報告書の押印

令和3年9月1日以降、不動産鑑定評価書における鑑定士の押印が廃止されますが、不動産調査報告書に関しても、押印を廃止しても有効という認識でよろしいのでしょうか。また、鑑定評価書及び不動産調査報告書における鑑定業者の押印(代表者印)が無くても、当該鑑定評価書等は有効という解釈でよろしいのでしょうか。

名称の如何にかかわらず「不動産の経済価値を価額に表示」する行為であれば鑑定評価であり、従来であれば署名押印義務、改正後は署名のみで対応可能と考えます。
なお、業者印についてはご判断のとおりと考えます。

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電子ペンによる署名

国不地第13号 鑑定評価書の押印廃止について(通知)
①不動産鑑定業者の社印も不要との理解でよいのでしょうか
②署名についてですが、印刷物に直に手書きで署名をする代わりに、電子データにタブレット等で電子ペンを用いて署名を行ったものを印刷しても良いのでしょうか?(鑑定評価に関する法律上の署名と認められるか否かの確認です)

①鑑定法では、鑑定業者の押印については特に規程はございませんので、押印する義務はありません。押印の必要性については、依頼者や開示・提出先等との関係をふまえて、各鑑定業者でご判断下さい。
②鑑定法上の署名と認められるか否かの判断については、国土交通省までお問い合わせ下さい。なお、本会業務委員会としては、電子署名によらない場合の鑑定評価書への署名は自署、つまり「自分で鑑定評価書に書き記すこと」が必要と考えております。

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複数名の電子署名

鑑定評価書への電子署名について、以下の①②の通り、複数名の電子署名がなされていても問題ないか、ご教示いただけますでしょうか。

具体的には、以下の2つのケースを想定しております。
①関与不動産鑑定士に加え、鑑定部門の部署長等の役職者(不動産鑑定士ではない者)が電子署名を行うケース<> ②関与不動産鑑定士に加え、鑑定部門の部署長等の役職者(不動産鑑定士であるが、関与不動産鑑定士には該当しない者)が電子署名を行うケース

いずれのケースでも関与不動産鑑定士が署名押印を行っており、法律上の要件を満たすものと考えておりますが、問題ないという認識でよろしいでしょうか。

関与不動産鑑定士全員の電子署名がなされていれば、鑑定法第39条第2項に抵触することはないと考えます。

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付属資料への電子署名

鑑定評価書の電子化について、附属資料についても電子署名証明の付与が必要でしょうか。

不動産の鑑定評価に関する法律では、「鑑定評価書には、その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士がその資格を表示して署名しなければならない。」とされております。
つまり、当該付属資料が鑑定評価書を構成する一部であれば、署名が必須であると考えられますし、鑑定評価書とは別の参考資料ということであれば、署名は必須でないと考えられます。

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署名(財務諸表)

財務諸表のための鑑定評価について、以下の点ご教授ください。
「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」のP3によれば、不動産鑑定士が1名の事務所においては、業務提携等により必ず受付担当者以外の不動産鑑定士が受託審査を担当すること。また、P4によれば、不動産鑑定士が1名の事務所においては、業務提携等により必ず署名不動産鑑定士以外の不動産鑑定士が報告書審査を担当することとされています。
上記の、受託審査、報告書審査を行った不動産鑑定士については、鑑定評価書の役割分担において記名をすれば、署名は不要という認識で宜しいでしょうか?

受任審査・報告書審査を行うだけであれば、報告書への署名は必要ございません。
(「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」P3~4参照)

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署名(証券化対象不動産・財務諸表)

証券化対象不動産及び財務諸表の作成に利用される目的の鑑定評価にあたっての質問です。
弊社は、鑑定士が一人の事務所です。上記鑑定評価の場合、受託審査を外部の提携鑑定士に依頼した上で、その旨を役割分担表に記載する必要があると認識しています。この場合、受託審査を行った外部の提携鑑定士のサインや押印は必須でしょうか?

受任審査・報告書審査を行うだけであれば、報告書への署名は必要ございません。
(「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」P3~4参照)

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依頼者が反社会的勢力であるか否かの本人確認

価格等調査業務約款について、価格等調査業務依頼書兼承諾書とともに添付する依頼約款に反社会的勢力の排除の条項が記載されていますが、依頼者の本人確認義務とその方法をご教示ください。また、「価格等調査業務依頼書兼承諾書」により依頼者と契約を取り交わす際の本人確認方法を教えてください。

依頼者が本人であるか否かを確認する義務までは求められていないものと判断します。通常は約款(反社会的勢力排除条項)を提示して確認し、依頼者が本人以外の者と判明した段階で契約解除する等の対応になるかと思います。
本人確認の方法については特に決まった方法はありません。一般的には名刺交換(個人の場合でも、その個人の属する企業等)が中心になっていると思います。鑑定依頼(依頼目的)・打ち合わせ等において、本人確認の必要がある(疑われる)と感じた場合には、鑑定士の判断及び方法(身分を証明するものの提示・固定資産税評価証明書等本人由来の評価資料の提示依頼等)で対処することになります。

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証券化対象不動産の受注資格要件

証券化対象不動産の評価を受注するのに必要な鑑定業者の要件はありますか。

鑑定業者にかかる「義務的な資格要件」はございません。
但し、本会が策定した「価格等調査業務の契約書作成に関する業務指針」に掲示されている「価格等調査業務標準委託約款」の第4条第2項(3)には以下の規定があり、標準約款を利用する場合はご注意ください。
(標準約款の文言等を各鑑定業者において修正する場合には、「価格等調査業務標準委託約款」という名称を用いることはできませんので、併せてご注意ください。)
【価格等調査業務標準委託約款第4条第2項(3)】
乙は、本件業務を、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会(以下「鑑定士協会連合会」という。)の会員であって、かつ、本件業務が証券化対象不動産に係る場合には鑑定士協会連合会が実施する証券化対象不動産の鑑定評価に関する研修等を修了している不動産鑑定士に担当させなければならない。

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鑑定評価書の署名押印

鑑定評価書の署名押印について、鑑定評価を行った部門長、もしくは会社代表の押印は必要となりますか。

鑑定評価書における“鑑定業者の押印”は義務ではないことから、会社代表者の押印でなくても特に問題はありませんが、少なくとも業者の責任者としての担当部署の長の押印があるほうが望ましいものと考えます。

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業務提携時の契約書と依頼書兼承諾書標準モデル

本会作成の依頼書兼承諾書標準モデルを業務提携の際に提携先との契約書として利用してもよろしいですか。また、業務提携は案件ごとに個別に契約を結ぶ形で問題はありませんか。

価格等調査業務依頼書及び承諾書の標準モデルは、依頼者との契約を前提としていることから業務提携契約書にそのまま使用できるとは思えませんが、業務提携契約書の記載事項は、価格等調査業務依頼書及び承諾書の依頼内容を参考として、委託業務の範囲に応じて適切に定める必要があります。(役割・責任分担の明確化)
また、案件ごとの業務提携で、特に問題はないと思います。

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一人鑑定事務所の財務諸表作成に利用される案件の受託審査

財務諸表の作成に利用される目的での鑑定評価に関し、報告書審査は業務提携で行うことができても、受託審査は受託業者の責任で行うべきとのことであり、「財務諸表のための価格調査に関する実務指針」7-3受託審査についてでは、「必ず、受付担当者以外の不動産鑑定士が審査しなければならず」との記載があります。
ならば、一人鑑定士事務所では、「財務諸表作成に利用される目的」の案件は受託できないことになるのでしょうか。

所属不動産鑑定士が一名の事務所において、当該不動産鑑定士を受付担当者として証券化対象不動産または財務諸表作成に利用される目的の案件を受託する際は、縦分業型業務提携を行った上で、受付担当者以外の不動産鑑定士が受託審査を行う方法が考えられます。
なお、「受付担当者」は不動産鑑定士に限られるのものではありません。

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官庁からの評価依頼時の確認書交付

「業務の目的と範囲等の確定に係る確認書」につきお尋ね致します。
この度、とある市役所より鑑定評価の依頼がございまして、上記の確認書の提出を求められました。私どもも提出することはやぶさかではありませんが、官公庁の場合は、これまで鑑定評価依頼書等を、これに替わるものとし省略されてきた経緯があり、そう認識してまいりました。
これに関する見解をお願いしたいと思います。

価格等調査ガイドラインでは、次のように規定しています。契約の締結までに、以下の事項を依頼者に確認したうえで確定するものとする。不動産鑑定業者は、以下の事項を明記した文書等を契約の締結までに依頼者に交付するものとする。
1. 依頼目的、利用者の範囲等
2. 利害関係等
3. 価格等調査の基本的事項
4. 価格等調査の手順
ガイドラインは、他の法令によるものの他は鑑定評価書作成に当たって遵守すべきものであり、ご質問の例もこれに該当します。
ガイドライン制定が、依頼者プレッシャー制度と関連して行われたことを考えると、鑑定依頼先との無用の混乱を避けるためのものでもあり、不動産鑑定士の業務を守る意味でも、確認書の提出は必要です。
なお、一部に一定の条件の元に「確認書に代わる運用」をしている公共機関等がありますが「確認書に代わる運用」のあり方については今後検討すべき事項となっています。

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契約書作成に関する基本指針

市からの調査業務委任で、総合建設コンサルタントが受任し、鑑定業者が資産評価の部分を下請した場合について、建設コンサルタントから指定された鑑定評価の契約書式で受任しても問題ないでしょうか。

契約書自体はガイドライン等で明記しておらず、契約書の書式をどのようなものとするかは、当事者の自由と言えます。
しかし、鑑定評価業務である以上は業務指針、ガイドラインに則って鑑定評価の手順を踏む必要があるため、鑑定評価の基本的記載事項、評価条件等について、元請けのコンサル担当者を通じて依頼者に対し確認した上、確認書を発行する必要があります。

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包括的な依頼書兼承諾書

依頼書兼承諾書について、年間に大量にもらうクライアントの場合について 案件都度ではなく、包括的な依頼書兼承諾書を年1回結び、個別の内容を確認書にて確認いただく方式は可能でしょうか?

現行「価格等調査業務の契約書作成に関する業務指針」によると、P3「7 契約書に記載すべき事項」において、「…継続的な取引関係にある依頼者との間においては、上記の内容(契約書に記載すべき事項)のうち、共通事項を基本契約として定め、案件ごとの個別事項を個別契約として定める方法も考えられる」とされています(したがって、基本契約書があれば、案件ごとの個別契約の記載内容を簡略化することは可)。
尚、依頼書兼承諾書(契約書)に記載すべき事項は以下のとおりとなっています(これらの項目がすべてそろって「契約」です)。

1.業務の種類(確認書に記載すべき事項.と重複)
2.対象不動産の概要(確認書に記載すべき事項.と重複)
3.業務の目的と範囲等の確定
4.再委託
5.業務納期(確認書に記載すべき事項.と重複)
6.委託報酬
7.支払方法
8.交付部数
9.特記事項

このうち3.については「依頼の承諾に際して、委任者に(確認書を)別途交付する」としており、「確認書」が「依頼書兼承諾書」の一部であること、ただしその内容は別紙で可であることを示しています。 因みにこの「確認書」は、契約当初に依頼者に交付するものの、「成果報告書交付までに、変更あればこれを明記して再交付」とされています(確認書を変更しても依頼書兼承諾書の変更は不要)。

お問い合わせの事案(年間に大量にもらうクライアントの場合)の詳細は不明ですが、以下の2段階で手続きを行えばよろしいと思料します。
1.年1回の包括的な契約
共通事項に関する「依頼書兼承諾書」及び「確認書」
2.案件毎の個別契約
個別物件毎の「依頼書兼承諾書」及び「確認書」
なお、一度に多数物件の評価依頼を一括で受注した場合、別紙に対象不動産すべてを記載し、一業務として契約すること自体は可能です。

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経済価値の判定を伴う意見書を個人名で発行することの可否

経済価値の判定を伴う不動産意見書は、鑑定法上は鑑定評価に該当すると考えられますが、個人名での発行は出来ますか。 不動産鑑定業者に所属する不動産鑑定士ですが、報酬を会社ではなく個人で受領したいと考えています。

ご指摘の通り、お問い合わせの「経済価値の判定を伴う不動産意見書」は、価格等調査ガイドラインの適用範囲である「鑑定法第3条1項の業務」に該当し、同時に不動産の鑑定評価に関する法律の適用範囲にもなります。 同法には、「不動産鑑定業者の登録を受けない者は、不動産鑑定業を営んではならない(33条)」とされており、「他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行うためには、業者登録が必要」とされています。 したがって、本件お問い合わせにあるような業務を個人で受任し、「個人名で発行する」ためには、前提として、個人名での業者登録が必要です。 また、報酬の受け取り方に関しては、所属業者との協議事項であり、ガイドラインや鑑定法の適用の有無とは別の問題になると考えます。

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印紙の必要性

固定資産税の適正な評価を行うため、不動産鑑定士に標準宅地の鑑定評価及び時点修正を行っていただいている。 『価格等調査業務の契約書作成に関する業務指針』の「5 価格等調査業務の契約に係る法的解釈」において、「不動産の鑑定評価契約は委任契約に該当することから請負に関する契約書(第2号文書)その他いずれの課税物件にも該当しないため印紙税の課税義務はない。」との記載があるが、不動産の鑑定評価委託契約はすべて、有償委任契約と解して、契約書への印紙の貼付は不要と考えてよろしいか。

価格等調査業務に係る契約書面の印紙税の取り扱いにつきましては、以前本会から東京国税局に照会を行い、下記のとおり回答をいただいております。
<参考>
国税庁の事前照会に対する文書回答事例
不動産鑑定業者が価格等調査業務の「依頼書兼承諾書」に係る印紙税の取扱いについて
この見解を踏まえると、当該業務が不動産鑑定法第3条1項業務、及び2項業務として行う不動産の価格又は賃料を文書等に表示する調査業務に該当する限り、印紙税法の課税文書には当たらないものと推察されます。
なお、本件は租税法の解釈運用となりますので、正確な見解につきましては租税法を所管する国税庁等にお問い合わせをお願いいたします。

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自治体への確認書の交付

東京都(建設局)の請書や、市の契約書に、「『・・・カイドライン』に基づく『・・・確認書』及び『・・・依頼書兼承諾書』については本請書(又は依頼書)をもって代えるものとする」という文章があります。 契約書等に上記の文言がある場合でも確認書を交付しなければならないでしょうか。

国土交通省の見解によれば、地価公示等別途法令で定める業務以外は確認書の交付が必要とされています。
https://www.mlit.go.jp/common/000048662.pdf
(上記Q.8 参照)
確認書を交付することは依頼内容を不動産鑑定士が確認して その結果を依頼者に伝えることで、鑑定士が後日トラブルに巻き込まれることを避ける意味もありますので、その点併せてご理解下さい。

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契約締結後の確認書の交付

業務の目的と範囲等の確定に係る確認書には「契約の締結までに交付するものです。」と記載されているが、対象不動産の確認後とすることはできないかお教えください。 官庁との契約は依頼書の発行と、承諾書引渡で契約成立となるが、事務処理上当日や翌日までの提出を求められる場合がある。調査範囲等条件については、対象不動産を確認しなければ、条件設定の適否を判断できないので、確認書の提出を契約締結から対象不動産確認後速やかにと変更できなでしょうか。

国土交通省が定める「不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン」では、不動産鑑定業者は契約の締結までに確認書を依頼者に提示することが求められております。

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依頼書兼承諾書の電子契約

「価格等調査業務の契約書作成に関する業務指針」を拝見しました。
こちらに標準モデルが掲載されている「価格等調査業務依頼書兼承諾書」ですが、電磁的方法での締結は認められていますでしょうか。
(電子契約サービス「GMOAgree」などの立会人型電子署名の使用を検討しております)

価格等調査業務依頼書兼承諾書は契約書です。したがって、依頼者と協議のうえ、各自法令に沿ってご判断ください。

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標準委任約款の免責事項

2020.3に改正として提示されました価格等調査業務標準委任約款について、質問です。
(免責事項)第5条(1)について
「本件委任事務開始後であっても謝絶する場合があること。」という文言について
大手金融関係のお客様から以下のとおりご質問・ご意見をいただきました
【契約の成立後であっても貴社の一方的な意思表示により契約が解除されることを了承する条項ですが、具体的にどのような場合が挙げられるのでしょうか。当社としては解除されるかもしれないという不安定な地位に置かれることになりますので、ご教示頂ければ幸いです。
また、本条で謝絶された場合の契約の扱いとしては、貴社からの15条1項に基づく解除、という扱いになりますでしょうか。その場合、1項のどの号に該当するとのご判断になりますでしょうか。また、この謝絶で貴社からの解除となった場合でも、15条2項に基づく報酬支払い義務は残るのでしょうか。どのような事由が謝絶の原因となっているのか分かりませんが、当社側の帰責性に基づかないものであるとすると、この場合でも当社が履行部分の報酬を支払うは不当であると考えます。】
これは「標準約款」であるので、お客様とのやりとりで項目を削除するなりの対応になるとは思うのですが、弊社としても、この文言が一体どういう意味(どういう想定で)で入れられたのか理解したいと考えています。意図を理解せずして、即削除というのは危険であるとも考えております。

第5条(1)について
不動産鑑定評価等業務は、一般的に契約締結後に現地調査や各種要因分析等を行います。
第15条第1項については、鑑定業者からの解約用件となりますが、契約締結後の状況によっては他の事情によっても、当初の依頼目的が遂行できない場合も考えられるため、その担保条項となります。
第15条第2項において、解約した場合の報酬請求についての規定がありますが、当該報酬については後日の紛争を避けるために、予め鑑定業者と取り決めしておくことが望ましいと考えられます。
なお、正当な理由がない場合の一方的な謝絶は想定しておりません。

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確認書の交付と提出の違い

「業務の目的と範囲等の確定に係る確認書」の2依頼目的、利用者の範囲等、⑤鑑定評価書の提出の有無について、依頼者に対しては不動産鑑定評価書「交付」と理解しております。「提出」と使い分けている意味をご教示ください。

交付は鑑定業者が行う行為で言葉使いも含め法律で定められています。
公表、開示、提出は依頼者が行う行為です。
鑑定業者は受任にあたり、利用者の範囲を明確にするために、依頼者が鑑定評価書を公表、開示または提出するかを聴取する必要があります。

評価を利用し得る行為全般を射程に一般的な表現を使っていると考えます。
それゆえに質問のように、交付と提出を混同しがちです。
しかし、以上のとおり交付するのは鑑定業者、提出するのは依頼者と、明確に区分され混同はありません。

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複数件の依頼があった際の依頼書兼承諾書

「価格等調査業務依頼書兼承諾書(以下「承諾書等」と称す)について
1.複数件(ex.10件)の依頼があった場合、その都度承諾書等(契約約款も含む)を作成・提示するものでしょうか。
2.委託者記載例では「部長」となっているが、「課長」でもいいのでしょうか。
3.「承諾書等」がもらえない場合、いわゆる「確認書」だけ交付だけでもいいのでしょうか。
4.インターネットでは「承諾書等」と「確認書」を兼ね備えた書面が掲載されているが、これでも可能でしょうか。
以上、4点他の鑑定士から「監査」の依頼を受けましたので、ご質問しました。

1.複数件(ex.10件)の依頼があった場合、その都度承諾書等(契約約款も含む)を作成・提示するものでしょうか。
→承諾書等は契約書ですので、複数同時依頼であれば一つの契約=一つの承諾書等となります。

2.委託者記載例では「部長」となっているが、「課長」でもいいのでしょうか。
→契約責任者であれば構いません。

3.「承諾書等」がもらえない場合、いわゆる「確認書」だけ交付だけでもいいのでしょうか。
→契約の締結までに「確認書」を交付し、契約締結後に変更があれば変更を明記した「確認書」を交付することとなります。契約締結には文書の取り交わしが望ましいと考えられます。

4.インターネットでは「承諾書等」と「確認書」を兼ね備えた書面が掲載されているが、これでも可能ですか。
→要件を満たしていれば、兼ね備わっていても問題ありません。

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電磁的記録による確認書

「業務の目的と範囲等の確定に係る確認書」(以下、「確認書」についてのご質問です。
確認書については、「紙」で提出しない場合には「価格等調査ガイドライン」に抵触するのでしょうか。
顧客からの要望があった場合に、確認書に電子署名を付した上で電子データで提出することも「価格等調査ガイドライン」に適合していると判断されるのでしょうか。

価格等調査ガイドラインにおける、確認書に関する記載は下記のとおりです。
・「文書等」とは、文書又は電磁的記録をいう。
・不動産鑑定業者は以下の事項を明記した文書等を契約の締結までに依頼者に交付するものとする。(確認書のこと)
つまり、確認書を電磁的記録により交付しても差し支えございません。

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設立前の新法人宛の依頼書兼承諾書の運用

依頼者兼承諾書について、お聞きします。
今回、個人が新法人を設立し、その新法人に不動産を売却するため、鑑定評価を受注する運びとなっています。
依頼者をその新法人としたいのですが、受注のタイミングではその新法人はまだ設立前なので存在しません。
設立は鑑定評価の納品のタイミングとほぼ同タイミングになると思われます。
依頼者兼承諾書をどのように運用するのがよろしいでしょうか。

まず個人の方と契約して契約書の取り交し・確認書の交付を行い、法人設立時点で契約を変更したうえで、再度確認書を会社あてに交付することでよろしいかと思われます。

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依頼書兼承諾書の保存義務

依頼書兼承諾書や公的評価契約書(主に国税)は5年間の保存義務はあるのでしょうか?
また、原本は破棄してPDFでの保存は許容されますでしょうか?

鑑定法では、①鑑定評価書の写し、②対象不動産等を明示するに足りる図面、③写真、④その他資料について保存義務がございます。
依頼書兼承諾書や公的評価契約書は、鑑定評価において特に重要な資料であるため、「④その他の資料」として保存すべきと考えます。
また、鑑定法における書類の保存は、e文書法により電磁的記録で行うことが可能です。
なお、鑑定法以外の法令等に基づく保存期間が定められている場合は、それぞれの法令の定めに従う必要があります。

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確認書(ガイドラインの適用範囲)

現在行っている鑑定評価業務は確認書の交付が必要なのか調べております。
次の業務は価格等調査ガイドラインの適用のない業務(ガイドライン本文中の「別に法令等に定めるもの」)に該当しますか。
依頼者:◯◯◯(行政機関)、依頼目的:□□□に係る不動産鑑定評価業務
また、確認書の交付が必要な場合、押印をすることになるのでしょうか。

ご照会いただいた業務の内容は、公共用地買収のための不動産鑑定業務であると思われます。
地価公示・地価調査・路線価・固定遺産税評価等の業務ではない通常の鑑定評価業務であれば、価格等調査ガイドラインに従う必要があります。
鑑定評価の契約の締結までに確認書の交付が必要になります。
確認書については、押印は必須ではありません。

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確認書の発行日と記載事項

1.確認書の発行日(交付日)
実際に交付する確認書の発行日(交付日)が契約締結後になる予定です。問題ないでしょうか。

2.確認書の記載事項
依頼者へ交付前の確認書をメールに添付して送信し目を通して頂いたことろ、土地を取得する際に行政機関の承認が必要で鑑定評価書を利用しており、確認書の「依頼目的、利用者の範囲等」の①依頼者以外の者への鑑定評価書の提出の有無、②依頼者以外の者への鑑定評価額の開示の有無については、行政機関になるのではとの質問をいただきましたが、①のみを行政機関とするとの認識でいいでしょうか。
また大きな視点でみると依頼者と鑑定評価書の提出先は同じ国と見ることができますが、公務内容の異なる別組織として、やはり①を行政機関とするとの認識でいいでしょうか。

1.確認書の発行日(交付日)
価格等調査ガイドラインでは、「不動産鑑定業者は以下の事項を明記した文書等を業務開始までに依頼者に交付するものとする。」とされております。
以上より、業務開始後に確認書を交付することは価格等調査ガイドラインに沿った対応とは言えませんが、確認書を一切出さないよりはベターな対応だと考えられますので、できるだけ速やかに依頼者に対して確認書を交付することが望ましいと考えます。

2.確認書の記載事項
鑑定評価書の提出先等の記載については、提出の目的や提出先の属性等、鑑定評価の利用目的の把握に資するものである必要があります。
今回の例ですと、依頼者は鑑定評価の直接的利用者として鑑定評価書を利用し、行政機関は協議等のために鑑定評価を利用すると思われ、鑑定評価の利用目的はそれぞれ別個の内容であると解釈できないでしょうか。
そうであれば、ご推察のとおり提出先として「○○□□」等と機関名まで記載することがベターと思量します。

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証券化財務諸表関連等評価の第三者受託審査

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」の改正に関して、証券化対象不動産及び財務諸表の作成に利用される目的の鑑定評価については、従来通り第三者による受託審査が必要となりますか。また、総括不動産鑑定士による審査は可能ですか。

財務諸表関連及び証券化に関する受託審査・報告書審査は、H24.6の「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」の改正前後で、取扱いに変更はございません。
受付担当者以外による受託審査(総括不動産鑑定士を含む)署名不動産鑑定士以外による報告書審査が必要となり、いわゆる「一人事務所による特例」の適用もございません。

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証券化鑑定評価における鑑定士の受託審査、報告審査の兼務

証券化対象不動産の鑑定評価について、不動産鑑定士が2名の事務所が業務を行う場合、受託審査担当鑑定士が報告審査担当鑑定士を兼ねることは問題ないのでしょうか。

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」上、「受託審査鑑定士と報告書審査鑑定士が同一人」であることを否定するものではありません。
すなわち、2人の鑑定士を「鑑定士A・鑑定士B」とすると、
◆受付担当⇒鑑定士Aの場合、受託審査鑑定士を鑑定士Bが担当
◆関与鑑定士(署名鑑定士)⇒鑑定士Aの場合、報告書審査鑑定士を鑑定士Bが担当で業務指針上、問題はありません。
なお、この場合、鑑定士A・鑑定士Bがともに「関与鑑定士」(署名鑑定士で、確定担当不動産鑑定士・作成担当不動産鑑定士等)となる場合は、業務提携等により鑑定士A・鑑定士B以外の鑑定士による報告書審査が必要となりますのでご注意ください。

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インターネットからの受注及び成果物の電子媒体での発行

「鑑定評価書」及び「調査報告書」の受注にあたり、インターネット上のサイトから依頼を受けることについては問題ございませんでしょうか?
「依頼書兼承諾書」をサイト上に掲げ、必要事項を記入の上、約款の後に同意ボタンをクリックしていただくことにより業務受注とするイメージです。

ウェブサイトを経由した鑑定依頼の申込を受けることは可能でしょうが、鑑定評価が委任業務であることを考えると、契約の申込段階に当たり、鑑定業者は申込を受けた業務について、依頼者と対面ではなくとも電話等の手段をとり内容を確認する必要があります。
たとえば、評価条件、対象物件の現状などの確認、内覧、立ち会いの方法の確認、依頼目的と利用者、第三者への影響など基準・ガイドライン・運用上の留意事項への抵触など鑑定評価にあたり確認するべき事項は、依頼者本人に丁寧に説明することが望ましいと言えます。
したがって、契約締結には契約書とは別に依頼内容を確認するための「確認書」を契約締結前に発行し、依頼者の同意を受け、依頼者との無用のトラブルを回避するように努めるべきでしょう。

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受任審査

鑑定評価(各論3章証券化対象不動産、財務諸表関連)及び調査報告書(各論3章証券化対象不動産、財務諸表関連)以外の依頼目的による鑑定評価や調査報告書について、「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」の別紙2受託審査項目のチェックに基づく受託の適否判定を行う必要はありますか。

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」(平成27年3月17日一部改正)の適用範囲については、 「2 適用範囲及び用語の定義」において、以下のように定められています。

本業務指針は、鑑定評価等業務全般を対象範囲とすべきであるが、社会の状況にかんがみ、当面の間は、次の価格等調査業務(国土交通省が定めた「不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン」(以下「価格等調査ガイドライン」という。)に基づく価格等調査に関する業務をいう。以下同じ。)を行う場合に適用する。
・証券化対象不動産の価格調査
・財務諸表の作成に利用される目的の価格調査
・不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価

したがって、「証券化対象不動産の価格調査」及び「財務諸表の作成に利用される目的の価格調査」のほか、「不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価」の場合も受任審査が必要となります。
なお、当該業務指針上、受任審査は義務づけられていませんが、 上記以外の「不動産鑑定評価基準に則らない価格等調査」の場合も受任審査を行うことが望ましいと考えます。

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業務実施態勢

2名の不動産鑑定士が在籍しているが、うち1名が療養のため、業務を行うことができなくなった場合、1名が復帰するまでの間、「自己による報告書審査の特例」を準用することは可能ですか?

お問い合わせの場合には、所属鑑定士が一人となって1人鑑定業者になったことと言えます。専任鑑定士の変更と違い、所属鑑定士の異動は届出事項となっておりません。対外的に所属鑑定士が複数であることを明示していない場合に限り、社内審査は1人鑑定業者と同様に行ってかまわない、と考えられます。
ただし、証券化対象不動産又は財務諸表の作成に利用される目的の価格等調査業務の場合は、業務提携等により、必ず署名不動産鑑定士以外の不動産鑑定士が報告書審査を担当しなければならない、ことになりますのでご注意下さい。

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不動産鑑定業者の業務提携

提携業者(要押印部分担当)により鑑定評価を行った場合、受託業者が発行した最終鑑定評価書の成果品(印影の写しがあるもの)の控え(紙ベースまたはPDF及びワードやエクセルなど)を提携業者が保管する義務はないのでしょうか? あくまで、提携業者と受託業者との契約関係で決まるものでしょうか。
提携業者であっても、押印義務がある部分を請け負った場合には、全体の控えをとっておくべきではないか。

提携業者に対し、国は、法令上は保管義務はない、としていますが、法令違反であるか否かのこととは別に鑑定評価に関与した鑑定士としての責任があります。後日の無用な紛争を予防する意味でも鑑定書の写しを保管する方が望ましい、と考えます。ご質問者の意見のように事後の問い合わせ等に対応できるよう、全体の控えをとっておくべきだと思います。

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鑑定評価書の保存書類の範囲

不動産の鑑定評価に関する法律 第三章第三十九条3「不動産鑑定業者は、国土交通省令で定めるところにより、鑑定評価書の写しその他の書類を保存しなければならない。」の内容について
1. 保存書類の範囲について
保存しておくべき「その他の書類」の範囲はどこまでですか。

2. 書類の保存方法及び保存期間について
「鑑定評価書の写しその他の書類」の保存方法は、PDF等のデータでの保存でもよろしいですか。それとも紙での保存が必要でしょうか。また、紙保存の場合・データ保存の場合で、それぞれの保存期間は異なりますか。

1. 保存種類の範囲について
不動産の鑑定評価に関する法律施行規則第38条第2項に 「法第三十九条第三項の規定により保存しなければならない書類は、 鑑定評価書の写しのほか、対象不動産等を明示するに足りる図面、写真その他の資料とし、それらの書類の保存期間は、五年とする。」と規定されています。保存する書類としては、 基本的に当該鑑定評価に当たって使用した資料の「全て」を指すものと考えられます。ただし、鑑定評価の対象・用途や採用する資料の軽重等は異なり、どこまでが保存義務の対象かを一律に規定するのは困難と考えます。個々の具体的なケースにおける資料の保存対象については、鑑定法を所管する国土交通省までご確認ください。

2. 書類の保存方法及び保存期間について
保管すべき期間は、規則により5年とされます。また、「国土交通省の所管する法令にかかる民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」第3条および別表第1により、鑑定評価書の写しその他の書類の保存は電磁的記録により行うことができるとされております。従って、紙に代えて、発行当時の評価書を示すPDF等の電磁的記録(スキャンデータ)によって保管することが可能です。なお、鑑定評価書の保存は、依頼者からの問い合わせはもちろんのこと、国等の監督官庁からの調査に対する資料にもなりますので、鑑定士の行った業務が適正であることを十分説明できるように必要な書類を適切に保管しておくべきです。以下に関連する法律および施行規則を明示いたします。

<不動産鑑定法第39条>
3 不動産鑑定業者は、国土交通省令で定めるところにより、鑑定評価書の写しその他の書類を保存しなければならない。

<不動産鑑定法施行規則>
(鑑定評価書の記載事項等)
第三十八条  法第三十九条第一項 に規定する国土交通省令で定める事項は、次の各号に掲げるものとする。
一 その不動産の鑑定評価の対象となつた土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利(以下この条において「対象不動産等」という。)の表示
二 依頼目的その他その不動産の鑑定評価の条件となつた事項
三 対象不動産等について、鑑定評価額の決定の基準とした年月日及びその不動産の鑑定評価を行なつた年月日
四 鑑定評価額の決定の理由の要旨
五 その不動産の鑑定評価に関与した不動産鑑定士の対象不動産等に関する利害関係又は対象不動産等に関し利害関係を有する者との縁故若しくは特別の利害関係の有無及びその内容
2 法第三十九条第三項 の規定により保存しなければならない書類は、鑑定評価書の写しのほか、対象不動産等を明示するに足りる図面、写真その他の資料とし、それらの書類の保存期間は、五年とする。

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不動産鑑定業者の業務提携

不動産鑑定士が1名の事務所において、証券化対象不動産若しく財務諸表作成に利用される目的の価格等調査業務又は不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価業務を行う場合、外部の不動産鑑定業者に審査を委託する必要があるのでしょうか。

不動産鑑定士が1名のみの事務所における受託審査、報告書審査については、業務の内容により以下のとおり対応することとなります。
・不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価(証券化対象不動産又は財務諸表の作成に利用される目的の鑑定評価を除く)の場合、署名不動産鑑定士自ら報告書審査を行うことができます。受託審査についても案件受付者と同一の不動産鑑定士が自ら受託審査を行うことができます。
・証券化対象不動産又は財務諸表の作成に利用される目的の価格調査(鑑定評価の場合も含む)の場合は、業務提携等により、必ず署名不動産鑑定士以外の不動産鑑定士が報告書審査を担当しなければなりません。受託審査についても案件受付者と異なる不動産鑑定士が受託審査を担当しなければなりません。
以上は「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」に記載されております。

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不動産鑑定業者の業務提携

鑑定評価にあたっての役割分担表について、どこまで作業を外部にお願いした場合に記載義務があるのか、教えてください。

鑑定評価書に役割分担表を添付する目的は、「責任の所在を明確にすること」です。したがって、たとえ外部専門家による報告書内容を記載するとしても、そこに記されたことを取捨選択するのは担当不動産鑑定士であって、そのことが鑑定評価に反映された結果は担当不動産鑑定士が追うべきものであり、外部の専門家が負うべきものではありません。さらに、鑑定評価の各段階において事実に対する判断が行われます。 言い換えれば、鑑定評価は判断業務であり、不動産鑑定士資格を有する者にしか出来ません。しかし、全ての業務を鑑定士が行うことまで求められているわけではなく、補助者に業務の一部を担当させ、最終的に不動産鑑定士が内容を確認することは許されています。また、下調べしたデータを資料として見やすく作成することを社内、あるいは社外の担当者に委ねることもあり得ます。 同様に、外部の専門家に資料を作成してもらい、評価書の一部とすることも考えられます。
いずれにしても、作成する不動産鑑定評価書の付随的部分の作成まで担当する鑑定士本人が全てを行う必要はありません。しかし、鑑定評価の基礎となる判断部分に関しては、地域分析、個別分析も含めて担当する鑑定士が行う必要があります。
繰り返しますが、「鑑定評価の結果に重態な影響を及ぼすことについて、担当鑑定士の誰が責任を得べきかを明記したもの」が役割分担表です。 作成した評価書に関しては全ての責任を担当鑑定士が負うべきものであり、たとえ分担表に作成した者印(社外専門家)の名前を明記しても、責任を逃れうるわけではありません。
以上をふまえ、「鑑定評価の結果に重大な影響を及ぼすか否か」と「責任の所在」の観点から、ご自身でご判断いただければと思います。 また、ご判断にあたっては、「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」もご一読ください。

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業務実施体制

監査法人が監査を行ううえで、企業より提示された鑑定評価書の内容をレビューし、問題がないかを確認して欲しいという依頼を受けております。企業より提出された鑑定評価書の依頼目的が、「財務諸表作成のため」でなく、受託審査等を1名の鑑定士が行われている鑑定評価書が提示された場合、どのような対応をするのが良いでしょうか?

「財務諸表のための価格調査の実施に関する基本的考え方」
Ⅱ.適用範囲
この基本的考え方は、以下の1.から4.までに掲げる基準、指針等(以下「企業会計基準等」という。)を適用して行われる財務諸表の作成に利用される目的で不動産鑑定士が価格調査を行う場合に適用する。
1.固定資産の減損
2.棚卸資産の評価
3.賃貸等不動産の時価等の注記
4.企業結合等
に該当する場合、「財務諸表のための価格調査の実施に関する基本的考え方」 及び「財務諸表のための価格調査に関する実務指針」に従う必要があります。また、「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」において、
・受付担当者以外の不動産鑑定士が受託審査を担当しなければならない。
・署名不動産鑑定士以外の不動産鑑定士が報告書審査を担当しなければならない。
と定められています。
したがって、「財務諸表のための価格調査の実施に関する基本的考え方」の適用範囲となる場合は、上記のとおりの対応が必要となる旨、依頼者に伝える必要があります。

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不動産鑑定士の専任

A社の専任不動産鑑定士として鑑定業を行いつつ、同業者のB社で非専任として鑑定業務等に従事することは、鑑定業法上可能でしょうか。

本会会員に対し、本会通知「鑑111号(平成27年10月9日付)専任鑑定士の役割について」にて、国土交通省から「鑑定業者の専任鑑定士に該当する者が、恒常的に他の鑑定業者の業務と掛け持ちで当該他業者の鑑定評価書を作成しているケース等、不動産鑑定士の登録内容に疑義がある例があった。」旨の指摘を受けたことが周知されています。
同通知文は、専任鑑定士が他の鑑定業者の業務を行う場合には、業務指針の規定にしたがって、必ず業務提携に関する契約書を交わすこと、並びに当該鑑定評価書について、提携鑑定業者名、不動産鑑定士の氏名及び当該業務に係る役割分担の内容を明記することを改めて注意喚起しています。
なお、文中で国土交通省が指摘する「不動産鑑定士の登録内容に疑義がある」とは、具体的には、不動産鑑定士の登録事項である「不動産鑑定業者の事務所」を指すものと推定されます。
詳細不明につき、お問い合わせの事案が今回の国土交通省の指摘事項に抵触するかどうかは不明ですが、ご質問の文言どおりの処理を行うとすると、複数業者に籍を置く登録変更手続きが必要と考えられますが、このような登録が可能か否かについて、直接国へ相談・確認を取られることをお勧めします。
当方で確認する限りでは、係る事案に対応する明文化した規定等は認められせんでしたが、一般論としては、係る登録は難しいと考えます(別会社での業務の頻度によって、現会社の専任鑑定士としての「専任性」が疑われかねないことを勘案すると、ご質問の件については、本来の鑑定法上の趣旨に照らし、疑義が生じるものと考えます)。
なお、現行のガイドライン、実務指針等に即して、現在所属の事務所と別会社との間で業務提携契約を締結し、別会社の受託業務を、現在の事務所の不動産鑑定士として担当(役割分担表に所属事務所(現在の事務所)等を記載、署名・捺印の上、別会社の成果品として発行)することで対応可能です。

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一人鑑定事務所の財務諸表作成に利用される案件の受任審査・報告書審査

一人鑑定士事務所では、「財務諸表作成に利用される目的」の案件は、「縦分業型業務提携」を行わなければ、受任できないことになるのでしょうか?

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」は、次の価格等調査業務を行う場合に適用します。
・証券化対象不動産の価格調査
・財務諸表の作成に利用される目的の価格調査
・不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価

この「業務指針」のなかの「5.価格等調査業務の受任」の(3)には、「…(略)…受任審査は、受付担当者以外の不動産鑑定士1名以上が担当する。なお、不動産鑑定士が1名のみの事務所であって、かつ当該不動産鑑定士が受付担当者の場合は、自ら受任審査を行うことができるが、証券化不動産又は財務諸表の作成に利用される目的の価格等調査業務の場合は、業務提携等により、必ず受付担当者以外の不動産鑑定士が受任審査を担当しなければならない。この場合、受任審査鑑定士の氏名は、「不動産鑑定士の役割分担等及び不動産鑑定業者の業務提携に関する業務指針」に従い、役割分担表に記載するものとする」と明記されています。

財務諸表の作成に利用される目的の価格調査は、業務の受任段階で受付担当者以外が「業務の受任審査」を行う必要がありますので、一人鑑定士事務所の場合は、これを満たすために、分業形態の如何を問わず、業務提携(=鑑定評価書の役割分担「受託審査欄」に、提携業者・受任審査鑑定士名を記載すること)が必要になります。
なお、過去のQ&Aの回答にある「…なお、『受付担当者』は不動産鑑定士に限られるのものではありません。」から考えると、「一人鑑定士事務所でも不動産鑑定士以外の担当者が受付をして、不動産鑑定士が受任審査をすることは可能、つまり、一人鑑定士事務所でも証券化・財務諸表の鑑定評価を受け付けることができる」と解釈できます。
ただし、現行ガイドライン上、このようにして受任した案件についても、報告書審査は必ず別の鑑定士が行い、当該鑑定士の所属・氏名を鑑定評価書の役割分担欄に記載しなければならない点には十分ご留意ください。

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非鑑定部署の鑑定士による受任審査・報告書審査

受任審査と報告書審査についての質問です。 鑑定士が複数所属の法人事務所で、鑑定法第3条第1項業務のみを行う部署と第1項業務以外の業務(例えば固定資産路線価評価業務や鑑定評価研究など)のみを行う部署に分かれている場合、第1項業務のみを行う部署に所属する鑑定士が1名のときには、その他の部署の鑑定士が受任審査や報告書審査業務を必ず担当しなければいけないのでしょうか。
法人事務所内で明確に業務の範囲について取り決めがなされている場合には、鑑定法第3条第1項部署の署名不動産鑑定士が自己による受任審査や報告書審査を行うべきではないか。

現行の業務指針では、①不動産鑑定業者として行うことが適切な業務であるかを審査する受任審査は、受付担当者(不動産鑑定士とは限らない)以外の不動産鑑定士1名以上が担当すること(不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針P3(3)参照)、②個々の業務における成果報告書の質を維持・向上させるために行う報告書審査は、署名不動産鑑定士以外の不動産鑑定士1名以上が担当することと、とされており、不動産鑑定業者として、業務及び成果報告書の質の維持・向上に最大限努めることを定めています。
当業務指針は、各所属事務所内での部署・業務範囲の取決め等に優先されるべきものですので、複数鑑定士が所属する事務所においては、署名鑑定士以外の不動産鑑定士による報告書審査が必要となります(業務受付担当者は不動産鑑定士とは限りませんので、署名不動産鑑定士が受任審査を同時に行う場合はあります)。

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一人事務所の財務諸表のための価格調査

財務諸表のための価格調査について、不動産鑑定士が1名の場合に、不動産鑑定業者が業務提携等を行うことなしに、行うことができるのでしょうか。
現在不動産鑑定事務所には2名の不動産鑑定士がいます。仮に1人の不動産鑑定士が会社を辞めてしまった場合に、他社との業務提携等なしに財務諸表のための価格調査を行うことができるのでしょうか。
地方の不動産鑑定業者は不動産鑑定士を2名維持するのは大変なので、不動産鑑定事務所内で完結する方法で財務諸表のための価格調査を行う方法がないのでしょうか。

鑑定評価の結果が依頼者以外の広範囲の者に影響を及ぼすこととなる証券化対象不動産の鑑定評価又は財務諸表の作成若しくは企業会計に関連した鑑定評価については、通常の依頼目的以上に透明性・信頼性向上を目指す必要があることから、各種業務指針等を策定した経緯があります。
したがいまして、例外対応はございません。

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鑑定部門と仲介部門を兼務した際のリスク管理

・鑑定部門の職員(不動産鑑定士=専任以外)を、仲介営業部門の職員と兼務させることを検討しております。
・連合会の「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」(8.情報管理)でいう鑑定情報の「業者外秘」や「他業種部門との独立性」に鑑みると、このような態勢は好ましくない、ないし相当高いリスク管理態勢を講じたうえでなければ難しいという理解でよろしいでしょうか。

ご認識のとおり、リスク管理態勢をしっかり取っていただく必要があります。
特に、IT関連につきましては、ソフト・ハード双方の観点から独立性を確保する必要があると考えられます。

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報酬の発生しない業務

弊社鑑定部署では、業務領域の拡大として「報酬の発生しないCRE等各種提案」業務(提案書作成~プレゼンテーションまで)への取組を予定しています。
当方としては、報酬が発生しない(業として行わない)業務であり、鑑定法3-1、同3-2に抵触せず、また「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」に照らしても問題ないとの認識です。
当方認識の妥当性確認のため、メールを送付させていただきました。

法第二条の業にあたらない業務であっても、不動産鑑定士が特定の不動産の価格等を表示する行為は問題となる可能性があり、不動産鑑定士の信頼性を基礎とする広告・提案などにおいても、利用者等に誤解を与えることのないよう充分な配慮が必要と考えます。
なお、法律の適用等解釈については、国土交通省にご確認ください。

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情報管理

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する実務指針」内の8.情報管理(2)「鑑定部門における他業種部門との独立性を維持するために、物理的区画・情報アクセス管理等の必要な態勢等を講じる」と記載されていますが、これはネットワーク内に他部門がアクセスできない独立したフォルダを作成し、管理するという運用で問題ないでしょうか。それとも、スタンドアロンPCにより運用する必要があるのでしょうか。

管理する情報の機密性によって御社でのルールに従い管理する必要があります。
従って、鑑定部門にネットワークを経由した漏えいリスクを許容できない情報があれば社内を含む他のネットワークから断絶した環境が望ましいと思われます。
また、他部門がアクセスできない独立したフォルダを作成、管理する運用の場合でも機密性・可用性・完全性の観点からアクセス権限、アクセスログの管理と確認データの管理方法のルール作成等の対応が必要です。
もし社内に情報セキュリティ対応の部門があれば、社内ルール等を一度ご確認いただきご相談されることをお勧めいたします。

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情報管理

現在、宅建業と鑑定業が兼業しておりますが、部門間で、物理的区画・情報管理等を適切に組織構築してあります。
その上で、宅建部門からの依頼に応じ、評価部門から宅建部門宛てに成果品を提出する事は問題がない」と考えておりますが、この認識でよろしいでしょうか。
なお、社内からの依頼とはいえ、内部使用にとどまらず、社外の第三者への開示も想定されます。そのような第三者からも”鑑定評価等として行っている業務であるという事”を明確にするためにも、部門ごとに発行する必要があると考えております。

不動産の鑑定評価に関する法律等(以下「鑑定法」という。)の規定では、鑑定業者が自らのために鑑定評価を行うことを特段禁止しておりませんが、鑑定法の解釈に係る事項ですので、詳細は国土交通省にお問い合わせください。
鑑定評価を行う場合は、不動産鑑定評価基準の下記事項に留意して対応すべきと考えます。
不動産鑑定評価基準:「自己の能力の限度を超えていると思われる不動産の鑑定評価を引き受け、又は縁故若しくは特別の利害関係を有する場合等、公平な鑑定評価を害する恐れのあるときは、原則として不動産の鑑定評価を引き受けてはならないこと。」

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審査不動産鑑定士

「専任不動産鑑定士」が、「受任審査者」及び「審査不動産鑑定士」とならなければならないという規定はございますでしょうか。

専任不動産鑑定士でない不動産鑑定士でも、受任審査・報告書審査を行うことは可能です。

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未入会の鑑定士

弊社の鑑定評価書には、「公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会」「不動産鑑定業者 〇〇株式会社」と明記し、連合会に所属する不動産鑑定士が署名しております。
私は、不動産鑑定士登録を受けましたが、連合会には入会前です。
この場合、連合会に入会している業者と明記した評価書に未入会の鑑定士が署名してもよろしいでしょうか?
まだ入会していない私が、会員であるかのように誤認してしまうのではないかと危惧しております。会員の鑑定士の連名が必要等の対応が必要があればお教えください。

「公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会 業者会員」等記載していただき、依頼者から誤認されないようご対応ください。
なお、事例データは利用範囲を会員に限定しております。
従って、本会非会員の不動産鑑定士は、鑑定評価業務においてREA-Jirei由来の取引事例を利用することはできません。
非会員の不動産鑑定士が署名鑑定士となる鑑定評価書において、REA-Jirei由来の取引事例を利用した場合には、本会規程(不動産取引価格情報提供制度による事例資料の管理・閲覧・利用に関する規程(第62条)ほか)に抵触します。
その点、十分ご注意下さい。

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価格査定表(ドラフト)提出後の価格変更の可否

「不動産鑑定業者の業務態勢に関する業務指針」の内示におけるドラフトの定義に関してです。 「不動産鑑定業者の業務態勢に関する業務指針」6 価格等調査業務の実施(6)に、以下の記載があります。
「業務委託後に依頼者等から成果報告書の提出に先がけてドラフトの提出を求められる場合があるが、その形式に関わらず依頼者に価格等を示す行為は、不動産鑑定士として価格等の判断を示すことであるので、ドラフト提出後は、原則として価格等の変更を行ってはならない。」
この「ドラフトの提出」に「価格査定表(別紙)のみの提出」も含まれますか。
価格査定表(別紙)のみの提出でも、「原則として価格等の変更を行ってはならない」ことになるのでしょうか。

「不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針」6価格等調査業務の実施の(6)において、「その形式に関わらず依頼者に価格等を示す行為は、不動産鑑定士として価格等の判断を示すことである」とされており、価格査定表(別紙)のみの提出であっても価格等を示す行為であれば、原則として価格等の変更を行ってはならないと解されます。「ただし、ドラフト提出後に、価格等調査の前提条件、資料の変更・解釈その他合理的な理由によって価格等を変更することとなった場合は、不動産鑑定業者内であらかじめ定められた手続き等に従って対応するものとする。この場合において、価格等の変更に至った合理的な理由について文書等に記録するなど、後日依頼者その他に説明が可能な状態にするものとする。」とされています。

<参考>
◇不動産鑑定業者の業務実施態勢に関する業務指針
6価格等調査業務の実施
(6)業務受託後に依頼者等から成果報告書の提出に先がけてドラフトの提出を求められる場合があるが、その形式に関わらず依頼者に価格等を示す行為は、不動産鑑定士として価格等の判断を示すことであるので、ドラフト提出後は、原則として価格等の変更は行ってはならない。ただし、ドラフト提出後に、価格等調査の前提条件、資料の変更・解釈その他合理的な理由によって価格等を変更することとなった場合は、不動産鑑定業者内であらかじめ定められた手続き等に従って対応するものとする。この場合において、価格等の変更に至った合理的な理由について文書等に記録するなど、後日依頼者その他に説明が可能な状態にするものとする。

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利回り等の提供は鑑定業法に反するか

鑑定士でない者が下記を行うに当たって、鑑定法に反するか否かを教えてください。
①利回りを表示して対価を得ること。
②地価公示や取引価格を基に、統計を用いて地図上に価格をマッピングしたソフトウエアを販売すること。

【ご質問者の判断】
①も②も鑑定士でない者ができると判断しております。

不動産の鑑定評価に関する法律 第二条には次のように記載されています。
(定義)
第二条  この法律において「不動産の鑑定評価」とは、不動産(土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利をいう。以下同じ。)の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいう。
2 この法律において「不動産鑑定業」とは、自ら行うと他人を使用して行うとを問わず、他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行うことをいう。
「不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示する」とありますから、「結果を価額に表示しない行為」は対象外と考えられます。
①ご質問の「利回り」が何の利回りかは分かりませんが、利回りのみを表示して価額を明示しない行為は「鑑定評価」ではない可能性があります。
②の行為については、
特定の場所を地図上に指定し、価格を表示することになった場合には、「鑑定評価」と見なされることが考えられます。その価格を求めるまでに判断をして、その結果を表示することに該当する場合です。
具体的なことが分かりませんので、詳細は国土交通省に問い合わせることをお勧めします。

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文書保管

本会文書 平成25年11月1日付の鑑119号「鑑定評価書の保存について」1.法第29条第2項の規定に関連して
交付した鑑定評価書について、鑑定評価に関与した不動産鑑定士の署名押印した部分の複写紙が、法第39条第3項の規定による「鑑定評価書の写しその他の書類」ととも保存されていることが望ましい。とあります。
また、本会の懲戒規程第43条では、「その業務に関係のある帳簿・書類(その作成または保存に代えて電磁的記録の作成または保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査させることができる。」とあります。
保存する複写紙は、電磁的記録(スキャンデータ)でも問題ないでしょうか?

「国土交通省の所管する法令にかかる民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」第3条および別表第1により、鑑定評価書の写しその他の書類の保存は電磁的記録により行うことができるとされております。
従って、発行当時の評価書を示すPDF等の電磁的記録(スキャンデータ)によって保管することも可能です。
なお、鑑定評価書の保存は、依頼者からの問い合わせはもちろんのこと、国等の監督官庁からの調査に対する資料にもなりますので、鑑定士の行った業務が適正であることを十分説明できるように必要な書類を適切に保管しておくべきです。

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複数の対象不動産を一冊の成果品として良いか

依頼者に対して、複数不動産(全国各地に散らばってます)をそれぞれ価格を明記するものの、1冊の成果品として提出することは可能でしょうか。
また、鑑定評価基準に則った場合(鑑定評価書)と、則らない場合(価格等調査報告書)では、扱いは異なりますか。

評価作業は、次のような各段階を踏まえて進められます。
・対象不動産の確定
・評価に当たっての条件
・対象不動産の現況確認
・地域要因、個別的要因が価格に及ぼす影響
・最有効使用の判定
・各評価手法の適用
・試算価格の調整と評価額の決定

同一の評価書の中に複数の物件を盛り込んだ場合に、物件ごとに全く地域が異なると、記載されている事項がどの物件に関することなのか、それが別の項目とどう影響し合っているのか、評価書を読む人に混乱をもたらす危険性があります。
複数物件を一つの鑑定評価書に納めることは否定されておりません。
しかし、分かりやすい評価書とするためには、関連性のある物件ごとに評価書を作成することが多いのではないでしょうか。
鑑定評価書は、依頼者はもちろんのこと、他の第三者の眼に触れることも予想できます。評価書を利用する可能性のある人が、評価書の内容を誤解なく理解できるようにすることが求められていると思います。
分かりやすい評価書とするには、一つの物件に関する項目をまとめて表記し、区切りを付けたあとに次の物件の説明に移る方が良いのではないでしょうか。
もちろん、複数の物件について、各要因がどう違うのか、比較分析することも必要です。
そのために、評価書とは別に各物件の比較表を作成し、依頼者の理解を深めて戴くのは良いことですし、評価書を活用することに繋がります。 なお、鑑定評価基準に則らない場合も同様と思われます。

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鑑定評価書の審査について

鑑定士に評価して頂いた額が適正かどうか、審査をして頂けるような何らかの機関を紹介して頂けますか。 また、何かの方法で素人でも簡単に評価額の適正性を確認できる手法がありますか。

1.鑑定評価書の審査機関はあるか?
鑑定評価書の内容審査については二つの面で考える必要があります。 ①は、鑑定評価書が法令や評価基準に則って適切に処理、作成されているかという観点です。 ②として、表示された鑑定評価額が不当に高い(あるいは不当に安い)ために鑑定評価書として不当ではないかという観点です。 鑑定評価書の内容が不当ではないか、という疑いが提示されると、国土交通省あるいは本会は、それぞれ懲戒に当たるものかどうか審査を行います。 その場合には、上記①②の二つの観点について検討し、判断をすることになります。 なお、①だけのことであれば、民間の不動産鑑定士の中にも有償で第三者として鑑定評価書の審査をすることが考えられます。(事実、提携先あるいは依頼者から受託しているケースを聞いています)

2.鑑定評価書の審査を一部でも依頼者側でできないか?
鑑定評価書を作成する際に、法令・基準・ガイドラインに準拠しなければならないことになっています。不動産鑑定士の判断が正しいか否かについては、専門家であっても現場を見ないと分かりにくいことは事実です。しかし、判断項目でない多くは専門家でなくても常識をもった一般人であれば審査可能です。本会では、鑑定評価書について「鑑定評価書(土地)チェックリスト」をホームページに公開しています。

3.評価書に関する説明責任
鑑定評価においては、その判断した価格について鑑定士本人が説明する責任を負います。提出された鑑定評価書はその説明書面です。 対象不動産がどのような状況にあって、どのような価格形成要因の影響を受けているか。市場における競争力はどの程度か。適用した手法においてそれらがどのように反映し、それをどう吟味して不動産鑑定士が価格決定したのか,等々。 「鑑定評価額は不動産鑑定士の判断であり意見である」と言われますが、鑑定評価書には、その判断に至る過程が説明されているはずです。説明責任の観点からは、利用者がそれを読み取れる内容になっていなければなりません。
価格決定に至る過程を、今一度鑑定評価書において確認し、不明な点があれば関与した不動産鑑定士に説明を求めることが必要です。

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調査報告書の様式

鑑定評価書提出後に地積の変更が生じたため、依頼者より変更後の地積での対応を求められております。 地積が変わっても鑑定評価の単価は変わらず、総額のみが変更になる場合、鑑定評価書の再依頼を求める必要があるのでしょうか。それとも、変更による影響を記載のうえ、意見書による意見価格として対応することに問題はありますでしょうか。

鑑定評価の基礎となる条件ならびに鑑定士の判断が変わるわけでもありません。鑑定評価書の活用を促すアフターサービスと言え、柔軟な対応をすることで差し支えない、と考えます。

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価格等調査ガイドラインの適用範囲外の業務に係る依頼書等

価格等調査ガイドラインの適用範囲外の業務であるコンサル対応の依頼書や、レポート書式のひな型、作成上の基本規程等はありますでしょうか。

本会では、現時点で明確な規定がございませんので、鑑定業者で独自に作成いただきたくお願いいたします。

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公売時における鑑定評価の徴求

公売時に鑑定評価を依頼せず、固定資産評価格や相続税路線価を参考にして独自に価格決定することは法律に抵触しますか。「不動産鑑定評価に関する法律」やその他の条例や判例等で鑑定評価書を徴収しなければならないという規定はありますか。

お問合わせのとおり「不動産鑑定評価に関する法律」その他関連法令等において、公売時に鑑定評価書を徴求しなければならないという規定は、現時点で存在しません。
しかし、鑑定評価を依頼せず、(例えば自治体担当者が)固定資産評価格や相続税路線価を参考に独自に売却価格を決定・処分することは、売却価格の正当性・妥当性の検証をせず公有物を処分することと同義になります。
地方自治法では譲渡の際に「適正な対価」を求めています。

237条第2項
 第二百三十八条の四第一項の規定の適用がある場合を除き、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない。

そもそも不動産は個別性が強く、「固定資産評価額や相続税路線価を参考に独自で決定した価格」が、適正な時価=正常価格(現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるだろう市場価値を表示する適正な価格)と合致するとは限りません。 この点、各地の自治体で起こされている住民監査請求の多くが、「鑑定評価書を採って、その売却価格の妥当性を検証の上、売却を決定している」ことを以て棄却されていることからも判るとおり、第三者である専門職業家(不動産鑑定士)の客観的判断である鑑定評価の取得が、結果的に自治体首長及び各担当部局・担当者の公務を補完する機能を果たすことを十分理解下さい。

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副本の署名押印

提出された鑑定評価書の副本に署名押印しかありません。正本と一致した内容の評価書として取り扱って問題ないですか。副本への署名押印について協会での取り決め等があったら教えてください。

鑑定法及び本会の定める指針等に副本への署名押印義務は定められておりません。
そもそも副本とは「正本の控えとするため、正本と同一内容のものとして作成される文書」であるので、一般的な公文書と同様、その文書のどこかに「発行番号○○の弊社鑑定評価書の副本である」旨の記載があること、副本であることを証する発行鑑定業者名の記名等+捺印があること、をそれぞれ確認する必要があります。
副本の信頼性につきましては、各自ご判断下さい。

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鑑定士の説明責任

2者共同依頼の調査報告書について、一人の依頼者が内容に疑問が生じたため、作成した鑑定士に内容の説明を求めたところ、鑑定士から、調査報告書の開示先(もう一方の依頼者の弁護士)が拒否しているため説明ができないとの回答があった。 開示先の拒否を理由に鑑定士が依頼者に対する説明を拒絶することが可能なのか。

不動産鑑定評価基準「第1章 第4節 不動産鑑定士の責務」に、「依頼者に対して鑑定評価の結果を判り易く誠実に説明を行い得るようにすること」が明記されています。
お問い合わせの「調査報告書」は、「鑑定評価基準に則らない価格等調査」と考えられますので、「不動産の鑑定評価に関する法律第3条第1項業務」として「価格等調査ガイドライン」等の適用を受けるほか、基本的には依頼者等への評価の結果に対する説明責任が求められることになります。 本件は、調査報告書の利用者(依頼者や開示先)が、受任業者や担当鑑定士が本来有している依頼者への説明責任を制限できるかというご質問と考えられますが、現行の鑑定評価基準、ガイドライン、実務指針等において、依頼者または利用者が、鑑定主体の有する説明責任を制約することができるとする趣旨の記載は確認できませんでした(この点、念のため、所管の国土交通省にお問い合わせすることをお勧めします)。

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依頼者以外への鑑定評価書の提出先等への提出方法

1.鑑定評価書の依頼者以外の提出先・開示先への提出方法について教えてください。
提出等については事前に文書で承諾を得ることを前提とします。
(1)開示は受け取った鑑定評価書を依頼者側が提示又はコピーすることでよろしいでしょうか。 また、依頼者から製本した鑑定評価書をコピーするには、きれいにコピーできないので、 当社の控えをPDFで頂きたいと話がありましたが、当社の控えをPDFで依頼者に提供してよろしいでしょうか。
(2)提出は提出した鑑定評価書の副本を依頼者以外の方に渡すことでよろしいでしょうか。
(3)提示及び開示の場合、特に黒く塗りつぶすところはあるでしょうか。

(1)開示は受け取った鑑定評価書を依頼者側が提示又はコピーすることでよろしいでしょうか。
開示は、特定の者に提示し(見せること)、内容を見せること、コピーの提供や鑑定評価書の内容を依頼者が加工して(別の者に)提示することを含みます。

また、依頼者から製本した鑑定評価書をコピーするには、きれいにコピーできないので、当社の控えをPDFで頂きたいと話がありましたが、当社の控えをPDFで依頼者に提供してよろしいでしょうか。
上記の回答のとおり、依頼者以外の者にコピーを渡す、或いはPDFを渡すという行為自体は「開示」に該当します。
当該コピーまたはPDFの利用目的が依頼者自身の利用である、或いは鑑定評価書の「開示先」に記載されている者へ渡すことが目的であれば問題はありません。
その他の者に渡す目的での申し出の場合は、「開示」の承諾を得てください(上記1.の回答と同義となりますが念のため申し添えます)。

(2)提出は提出した鑑定評価書の副本を依頼者以外の方に渡すことでよろしいでしょうか。
提出とは、依頼者以外の者へ鑑定評価書の正本または副本を提出することです。

(3)提示及び開示の場合、特に黒く塗りつぶすところはあるでしょうか。
個人情報保護法との関係等、依頼者と内容を十分吟味・協議の上、個別の案件内容に応じてご自身で判断願います。

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裁判鑑定の依頼

裁判所から、鑑定士個人指名で裁判鑑定の依頼を受けました。その中で、厳密には鑑定評価基準に則ることができない経済価値の査定を求められています(法令等の要請はないが、関係者全員の合意で一定の用法に基づく特定価格的なものを査定してほしいとのこと)。
なお、「鑑定評価書」というタイトル表記も求められています。

1)このような場合の評価は、「不動産の鑑定評価に関する法律」(以下、鑑定法という)の適用のある「鑑定評価等業務」に当たりますか。当たらない場合、それはなぜですか(法的な根拠があれば教えてください)。
2)鑑定法の適用がある場合、価格等調査ガイドラインの適用はありますか。適用がない場合、それはなぜですか(法的な根拠があれば教えてください)。
3)ガイドラインの適用がある場合、「価格等調査業務」に当たると考えられますが、基準に則ることができない本件のような場合は、「鑑定評価基準に則らない価格等調査」に該当すると思います。この場合、「鑑定評価書」という記載は使用してはならないということでよいでしょうか。
4)今回個人に評価を依頼されていますが、上記1)~3)を踏まえ、どのような形式で依頼にこたえるのが望ましいでしょうか。
①鑑定業者として、鑑定評価書のタイトルで、鑑定士の署名押印をして交付。
②鑑定業者として、調査報告書・意見書のタイトルで、鑑定士の署名押印をして交付
③個人として、「鑑定評価書」というタイトルで交付
④その他

令和3年6月公表の「裁判のための鑑定評価等に関する研究報告」をご参照ください。

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宅建業を兼業している際の価格査定書

不動産鑑定業と宅建業を同じ事務所(法人)で兼業している場合において、宅建業者として売買の相談を受ける場合、価格アドバイスや無料査定書の発行をする必要があると思います。この場合に発行する無料査定書は不動産鑑定業の鑑定業務の範囲に入るのでしょうか?

宅建業者の価格査定書は、仲介・媒介契約を目論む業者が自分の示す価格についての説明資料として顧客に提供するものであり、仲介を前提として行う業務です。報酬を得て行う評価ではないため鑑定業務の範囲には入りません。
なお、媒介契約を締結していない「価格査定書」については、宅建業法第34条の2の業務にはあたりませんので、念のため申し添えます。

<参考:不動産の鑑定評価に関する法律第2条2項(定義)>
この法律において「不動産鑑定業」とは、自ら行うと他人を使用して行うとを問わず、他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行うことをいう。

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裁判に係る自己のための意見書

自分のためにする裁判で、価格意見書を作成する場合、業者名を入れず、鑑定士の資格を付けて鑑定意見書とすることはできますか?
注意書きに、本人のためにする評価である旨は記述するつもりですが、その他、気をつけるべき点があればお知らせください。

自己のためにする意見陳述は、「業として価格等調査を行う場合」にはあたらないと考えられるため、価格等調査ガイドラインの適用外と思われます。
しかし、業にあたらずとも、鑑定法40条で、不動産鑑定士としての責務、誠実性が求められることになります。裁判の場合は、第三者、当該意見書の利用者に大きな影響を及ぼしますので、不当な鑑定評価等として措置要求の対象になる可能性があります。
特に利害関係者であることは第一に明示すべきであり、客観的な意見を陳述できる立場かというと、本来は、第三者による意見に拠ることが相当と思います。
また、本件の場合、鑑定業者として発行する成果物と誤認する可能性があり、また本来2項業務でも使うことができない「鑑定意見書」などの名称は使用すべきではありませんが、意見として、不動産鑑定士の名称を用いて文書で陳述することは妨げられないと考えられます。

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電子署名付PDF

電子署名付PDFを正本とする場合についての質問です。
①発行部数の記載は省略してよいでしょうか。
②電子署名付PDFを正本とする場合に、その旨を評価書に注記する必要がありますか。
③電子署名付PDFを依頼者がコピーし他社に提出する場合は、「提出」でよいでしょうか。
④鑑定業者が当該PDFを印刷して、依頼者に渡す場合には、「正本と相違ない」旨の記載をして業者が記名押印する必要がありますか。

電子署名法に則ったシステムを活用し交付することを前提と致します。
①そもそも発行部数は成果報告書に記載する必要はありません。
②一般的には、カガミの右上等に「正本」「副本」と記載して成果報告書を交付していると思われますので、それにしたがえばよいと考えられます。
③副本は作成しないので、単なるコピーとなり「開示」と考えられます。
④副本は作成しないので、単なるコピーであり正本と相違ない旨の記載は不要と考えられます。

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鑑定評価業務の下請法の適用

不動産の鑑定を受託した不動産鑑定業者(資本金1000万円超)が別の不動産鑑定業者(資本金が1000万円未満)へ鑑定業務の一部を委託(委任)することは下請法に該当するでしょうか。

不動産鑑定評価業務は民法上の委任、請負に関係なく、下請法の役務提供委託に該当し、親事業者が資本金1千万円超、下請事業者が1千万円以下の場合には下請法の対象となります。
下請法の対象となる場合、様々な制約が発生いたしますので、詳しくは、所管省庁にご確認いただきますようお願いいたします。

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割印の必要性

令和3年9月8日付「鑑定評価書の押印廃止に係る対応について」で押印義務が廃止された旨が通知されたが、正本及び副本に対し割印の押印が望ましいとする連合会からの通知があることから、当該割印の押印についてどう対応すべきか明確にしていただきたい。

鑑定評価書への割印が推奨される理由は、鑑定法第39条第3項の鑑定評価書の保存に際し、交付した評価書と保存した評価書が同じ内容であることを証明し(真正性)、改ざんを防止する手段として、割印が有用であるからです。
紙で鑑定評価書を作成する場合、上記有用性は現在も変わりませんので、鑑定法第39条第3項の主旨をご理解のうえ、各鑑定業者で適切と判断した方法で対応して下さい。

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価格等調査ガイドランの適用範囲

電力会社様から、「送電線・電柱等の電気供給事業に関する施設用地の買収のため、買収対象地の価格を第一段階として A 41から2枚程度の意見書で提出いただき、買収交渉が進捗した段階で正式な「不動産鑑定評価書」でいただきたい」というご要望をいただきました。
価格等調査ガイドラインによりますと「本ガイドラインは、不動産の鑑定評価に関する法律第 3 条第 1 項に規定する不動産の鑑定評価であるか、同条第 2 項に規定するいわゆる隣接・周辺業務であるかを問わず、価格等調査を行う場合に、不動産鑑定士が従うべき業務の方法等を示すものであり、 不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価を行う場合は、不動産鑑定評価基準のほか、本ガイドラインに従うものとする。」とあります。このような依頼はお受けできないと考えております。依頼者の属性・事業の公共性にかんがみて、ガイドラインの適用範囲外とすることは可能でしょうか?

買収対象地の価格(単価であったとしても)を表示する行為は、「不動産の価格等を文書等に表示する」ことと考えられますので、価格等調査ガイドラインが定義する、「価格等調査業務」に該当すると考えられます。
よって、ご質問の例について価格等調査ガイドラインの範囲外とする対応はできないと考えます。
一方で、価格等調査ガイドラインでは、鑑定評価基準に則らない価格等調査を行うことができる場合を列挙しております。
本件のようなケースでは、①依頼者内部の利用に止まる場合、②利用者の判断に大きな影響を与えを与えないと判断される場合、③全ての開示・提出先の同意を得た場合、のいずれかに該当ないと判断される場合、のいずれかに該当する場合は、鑑定評価に則らない価格等調査業務として対応することが可能です。
特に②の利用者の判断に大きな影響を与えないと判断される場合の例として、「価格等調査ガイドライン」の取扱いに関する実務指針では、依頼者が依頼目的を成し遂げるための「予備的な価格等調査」である場合を示しております。

つまり、今回の要請に対して、ガイドラインの範囲外として対応することはできないと考えられますが、ガイドラインに沿った鑑定評価基準に則らない価格等調査業務として対応できる可能性があると思われます。

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PDF化後の紙の処分

1.鑑定評価書の紙の保存について、 PDF化後は紙を処分してしまってもいいのでしょうか。
2.保存の範囲について、 Q&A によると「その他の書類」とあるが、これに契約書も含まれるのでしょうか

1.鑑定法に基づく鑑定評価書の保管は、 PDF等の電磁的記録で行うことができます(e文書法第3条)。
2.契約書とは、不動産鑑定評価の依頼に係る契約書であることを前提に回答致します。 保存する書類としては、基本的 に当該鑑定評価に当たって使用した資料の「全て」を指しますが、不動産鑑定評価の依頼に係る契約書は「価格等調査業務の契約書作成に関する業務指針」で言及するとおり、鑑定評価において特に重要な書類と考えられますので、鑑定評価書と一緒に保存すべきと考えます。

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価格の併記

鑑定評価の実務のうち、調査報告書の記載方法についてご教示ください。

2つの想定条件を想定し、それぞれに対する調査価格を必要とするお客様がいます。
それぞれの条件で調査報告書を2冊発行すれば問題ないかと思いますが、1冊の調査報告書にそれぞれの価格を併記してほしいという要望を受けています。
例)想定条件1の場合 ***円、 想定条件2の場合***円 等

各々について価格等調査ガイドラインを満たし、確認書等をそれぞれ対応すれば、1冊の調査報告書に価格を併記することは可能でしょうか。

価格等調査ガイドラインに沿った記載がなされていれば、1つの成果報告書で異なる想定条件の価額を併記しても問題ありません

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反社会的勢力が居住する不動産の評価

貸家及びその敷地(複数戸で構成される賃貸マンション)について、賃借人の一人に反社会勢力の者がいる場合、当該複合不動産の鑑定評価業務を受注することは可能でしょうか。
購入者が仲介者から反社会勢力の存在を伝えられずに購入し、(もし反社会勢力がいたなら購入しなかったと考えられます)その損害賠償額を算出するための参考資料としての鑑定評価になります。

鑑定業者が反社会的勢力と取引を行う訳ではありませんので、鑑定評価を受任しても問題ないものと思料します。

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利害関係

弊社では、宅建業と鑑定業をあわせて行っております。
そこで、仲介する物件につき、鑑定を行うことができるのか否か、ご教示頂けますと助かります。
利益相反など、利害が対立するケースではできないと思いますが、一般的に、どう扱うべきでしょうか。
法的、倫理的など、問題があるか否か、教えて頂けると助かります。

不動産鑑定評価基準では、下記のとおり利害の有無にかかわらず公平妥当な態度を保持することを要求しておりますが、利害関係があることをもって鑑定評価を禁止している訳ではありません。

不動産鑑定評価基準:「不動産の鑑定評価に当たっては、自己又は関係人の利害の有無その他いかなる理由にかかわらず、公平妥当な態度を保持すること。 」

一方で、利害関係があることによって「公平な鑑定評価を害する恐れがあるとき」には、鑑定評価を原則として引き受けてはならないことになっております。

不動産鑑定評価基準:「自己の能力の限度を超えていると思われる不動産の鑑定評価を引き受け、又は縁故若しくは特別の利害関係を有する場合等、公平な鑑定評価を害する恐れのあるときは、原則として不動産の鑑定評価を引き受けてはならないこと。」

つまり、「公平な鑑定評価を害する恐れ」があるか否かの鑑定で、鑑定評価を行うべきかを判断することになろうかと思われます。

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利害関係

「関与不動産鑑定士及び関与不動産鑑定業者に係る利害関係等」についてのご質問です。
固定資産評価(山林)において、
①当方ではない鑑定士が行った評価書に基づき、市が行った評価について所有者を原告とした訴訟が提起された。
②当方が、市から委託を受け、鑑定評価書を発行した。
③昨年秋、訴訟が決着した。
このような経緯があり、今般、市より当該山林を含めた固定資産評価への入札参加要請がありました。
こういった場合、市と私との間では利害関係があると考えるべきなのでしょうか。

不動産鑑定評価基準では、下記のとおり利害の有無にかかわらず公平妥当な態度を保持することを要求しておりますが、利害関係があることをもって鑑定評価を禁止している訳ではありません。

不動産鑑定評価基準:「不動産の鑑定評価に当たっては、自己又は関係人の利害の有無その他いかなる理由にかかわらず、公平妥当な態度を保持すること。」

一方で、利害関係があることによって「公平な鑑定評価を害する恐れがあるとき」には、鑑定評価を原則として引き受けてはならないことになっております。

不動産鑑定評価基準:「自己の能力の限度を超えていると思われる不動産の鑑定評価を引き受け、又は縁故若しくは特別の利害関係を有する場合等、公平な鑑定評価を害する恐れのあるときは、原則として不動産の鑑定評価を引き受けてはならないこと。」

つまり、「公平な鑑定評価を害する恐れ」があるか否かの観点で、鑑定評価を行うべきかを判断することになろうかと思われます。

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評価書の保存

鑑定評価書等の保存について
 1 不動産の鑑定評価に関する法律等では、保存書類は鑑定評価書の写し・図面・写真・その他資料で保存期間は5年間と定められている。
 2 鑑定評価作業は通常PCで行うが、上記1では「保存書類」とあるため、PC内の情報は範囲外と思われる。従って、5年間を待つことなく、鑑定書作成後即座に全情報を抹消することも可と思われる。
 この考えで可か否か、貴協会のご見解をお伺い致します。

保存書類を紙面等で別途保存してある場合、PC内の情報を削除しても問題ないと考えます。
一方で、保存書類をPC以外で保存していない場合、PC内の情報を法令に定められた期間保存する必要があると考えます。

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