JAREA‐e研修「境界トラブルと土地家屋調査士の関りについて」、「企業不動産(CRE)戦略とESG投資」及び「「路線価図でまち歩き」から考える不動産鑑定士の可能性」(一般社団法人九州・沖縄不動産鑑定士協会連合会:令和6年11月13日または14日開催)」の配信について
「境界トラブルと土地家屋調査士の関りについて(令和6年11月13日開催)」
前半では、土地家屋調査士の成り立ちから業務の具体的な内容、法務局に備付けられている地図の種類や地積測量図の作成された時期による違い、2つの境界(所有権界と筆界)などを説明します。土地家屋調査士が普段の業務や、法務局の資料の捉え方などを知っていただくことで、土地家屋調査士をより身近に感じていただければと思います。後半では、前半で説明した2つの境界(所有権界と筆界)の違いを理解した上でトラブルの解決方法として、『土地家屋調査士の業務』『裁判』『法務局の筆界特定制度』『土地家屋調査士ADR』の違いやそれぞれのメリット・デメリットをお伝えいたします。「トラブル=裁判」ではなく、様々な解決方法があることを知っていただければと思います。
「企業不動産(CRE)戦略とESG投資(令和6年11月14日開催)」
企業不動産(CRE)戦略は、2008年に国土交通省の「CRE(企業不動産)戦略を実践するためのガイドラインと手引き」によって、その基本的な考え方が公表された。その後15年余りの社会経済情勢の変化に伴い、基本的な考え方は変わらないものの、ESGの配慮などは大きく変化した。2015年にSDGs、パリ協定が採択されたころから、日本では、国も力を入れ、急激にESG投資が増加し、CRE戦略の中でもESGが大きな部分を占めるようになった。
現在欧米を中心にCO2削減等の環境規制が強化されてきており、自然災害の増加によりBSP対策の重要性、災害時の不動産所有者の責任が再認識され、また、GIS,オルタナティブデータが各方面で活用され、コロナ禍によってワークプレイスのあり方が見直されるなど、特に社会(S)の問題がクローズアップされてきた。
本講座では、CRE戦略概説の後、特にCRE戦略の変化に関係深い、安全、快適、利便性の大きいワークプレイス、木造建築物、緑の価値等とともに、社会的インパクトを持つ不動産の評価のありかたついて少し言及する。
「「路線価図でまち歩き」から考える不動産鑑定士の可能性(令和6年11月14日開催)」
一般の方々を対象に路線価図を持って2時間半から3時間、路線価の変化を歩いて実感していただくという講座を3カ月に1度のペースで開催しています。ほとんどの方の日常には縁のない路線価図ですが、これをやることによって参加者の皆さんは歩く場所の地形や歴史、開発、住みやすさや自分ならここに住むだろうかとさまざまな観点から街を見るようになります。
街は地形の上に歴史が重なって現在、目の前にあり、そこに人の営みが加わることで変化し、未来に向かっていくものです。ですから、路線価図で現在の様子を周辺と比べながら見ることは土地の過去、現在を知り、未来の可能性を知ることでもあります。家を買う人にとって役に立つのはもちろん、投資をする人や街を変えたい、街作りをしたい人にも役立つことになります。
そして、路線価図でまち歩きは鑑定評価を裏読みするという作業でもあります。裏読み、つまり外から見ると鑑定作業はどう見えているのかを実際の事例から説明します。