公的評価と民間評価(不動産評価との関わり)
不動産鑑定士の仕事には、国や都道府県
市町村などから依頼される「公的評価」と、
一般企業や個人から依頼される「民間評価」があります。
公的評価って?
国や都道府県、市町村などが、土地の適正な価格を一般に公表するための評価業務です。
具体的には、地価公示制度(公示地価)や地価調査の制度(基準地価)、課税のための評価を行っています。
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地価公示
国、つまり国土交通省から依頼される仕事で、地価公示法に基づく標準地の鑑定評価を行います。
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地価調査
都道府県から依頼される仕事で、国土利用計画法に基づく基準地の鑑定評価を行います。
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相続税路線価評価
国税庁から依頼される仕事で、相続税や贈与税の根拠とするための相続税標準地の鑑定評価を行います。
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固定資産税標準地評価
市町村から依頼される仕事で、固定資産税の計算根拠となる固定資産税標準宅地の鑑定評価を行います。
このように、不動産鑑定士は公的土地評価の適正化・均衡化のために多くの貢献をしています。
【公的評価指標】
種類 | 地価公示価格 | 基準地標準価格 | 相続税路線価 | 固定資産税 評価額 |
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主務官庁 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 | 市町村 |
価格時点 | 毎年1月1日 | 毎年7月1日 | 毎年1月1日 | 3年ごとの1月1日 |
公表時期 | 毎年3月下旬頃 | 毎年9月下旬頃 | 毎年7月上旬頃 | 基準年の3月頃 |
求める価格 | 正常価格 (更地としての価格) | 正常価格 (更地としての価格) | 正常価格を基にした価格 (更地としての価格) | 正常価格を基にした価格 (更地としての価格) |
価格の特色 | 個別的要因を 含んだ価格 | 個別的要因を 含んだ価格 | 個別的要因は含まない 想定された標準画地に ついての価格 | 個別的要因を 含んだ価格 |
備考 | 適正な時価 (原則として都市計画区域) | 公示価格と同一水準 (都市計画区域外を含む) | 地価公示価格の80%程度 | 地価公示価格の70%程度 |
民間評価って?
一般企業や個人から、不動産売買の参考にする目的や、資産評価、担保評価のために依頼される評価業務です。
具体的には、次のような評価を行っています。
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売買や賃貸借の参考の
ための評価不動産売買や賃貸借の場合に、
その取引価格(賃料)の参考とするために評価します。 -
資産評価
保有している不動産の価値を
評価します。 -
担保評価
金融機関などが、融資の際に担保とした不動産の価値を、自らの評価と比較する目的で行う、正確さを期するために評価します。